2024年6月号記事

 

 

福祉 バラマキ 学校

 

優しすぎる社会の危うさ

 

人に優しい社会・政治は、人類の理想でもあっただろう。
しかしそれも行き過ぎれば、結局は人々を不幸にしてしまう。
「地獄への道は善意で舗装されている」という言葉の意味を、今一度考えたい。

 

 


 

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福祉 バラマキ 学校── 優しすぎる社会の危うさ - Part 1

 


 

「省エネ家電のエアコンに買い換えたら5万円もの助成金が出るそうです。電気代上昇に対する負担軽減策だと言うのですが、私たちの払った税金でそんな大盤振る舞いしないでほしい」

東京都杉並区に住む山本真千子さんはこう憤る。

コロナ、少子化、物価上昇──新たな社会問題が持ち上がるたび、新たなバラマキメニューが政府・自治体から次々と打ち出される。今に始まったことではないが、それにつけても近年のペースは異常だ。

ある市議はこう語る。「学校給食費の無償化を、各市町村が競って推進しています。我が市でも、今年度に予算化されました。保守派の市長は、全額無償化は難しいとずっと主張していましたが、市長選を前に押し切られたように感じました。しかし無償化に賛成票を投じた他の市議さえも、『個人的にはおかしいと思う』と言っていました。大きな会派に属していれば、反対できない流れができているのです」。

現在のタガが外れたかのような状況について、福祉問題に詳しい評論家の森口朗氏はこう語る。「きっかけはコロナの時にあらゆる業界にお金を撒いたことでしょう。ああいうことをして、『配られてなんぼ』という空気ができてしまったと思います」(本誌18ページインタビュー)。

 

次ページからのポイント(有料記事)

「本当は皆、おかしいと思っている」

Interview 01 「優しすぎる生活保護」は社会復帰を妨げる / 茨城県古河市議会議員 古川 かずみ