氣楽亭 日乗

大阪生まれで奈良県広陵町の長閑で氣楽な田舎暮らしの氣功師が氣ままに綴る懐かしい昭和の年代記です。

覗きカラクリ

2005-07-03 10:19:46 | 懐かしい商売
見世物小屋に並んで覗きカラクリがあった。
小屋と違って移動可能な組み立て式の小型の舞台のような形をしていた。
前面に丸い筒状のレンズが入った覗き窓が2列に並んでいる。
高い所の覗き窓は大人用で低い所の覗き窓は子供用だ。
全部で20個くらい有っただろうか・・・
覗き窓の上には演し物の看板があった。
その看板の後ろが舞台でオジサンとオバサンが拍子をとって竹を叩き口上を語るのです。
もう一人は集金したり物語の話の進行を聞いて紐を引っ張り上げて覗きカラクリの場面を変える。

覗き窓からレンズを見ると暗い背景の中に明るく照明された場面が見えた。
人物や建物は全部「押し絵」で立体的に見える。
着物は本物の着物の端切れで作ってあった。
しかし古びて所々に虫食い跡や綻びがあり骨董品のようだった事を覚えている。

演目も古くて「地獄極楽」「不如帰」などだった。
三府の一の東京でぇ~父は海軍中将にてぇ~姓は片岡~名は浪子ぉ・・・」
さびた覗き節が郷愁を誘う・・・
あまり楽しい娯楽では無かったが見ておいて良かった。

昭和20年代の後半までは明治大正の残照がまだ存在したのです。
たぶん我々が最後の体験者だと思うので伝えたいのです。

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