氣楽亭 日乗

大阪生まれで奈良県広陵町の長閑で氣楽な田舎暮らしの氣功師が氣ままに綴る懐かしい昭和の年代記です。

焼芋屋?氷屋?

2005-12-05 10:29:10 | 懐かし商店街
或る時には「焼芋屋」・・・また或る時には「氷屋」・・・また或る時には「炭屋」・・・また或る時には「冷やし飴屋」・・・しかして其の実態は?
あの頃の商店街には季節によって商売を器用に変えるお店が有った。
まるで多羅尾伴内のように「七つの顔」を持つ不思議な店です。

寒くなれば「薪」「炭」「練炭」「豆炭」を売る傍ら「焼芋」を販売する。
なかには「焼芋」が「回転焼」(今川焼、太鼓焼)や「たこ焼」を商う店も有ります。
暖かくなれば「冷やし飴」や「ジュース」に変わり夏が来れば「アイス」や「氷」を商う。
「練炭」や「氷」は魚屋や食堂なんかが通年に渡り配達して貰っていた。

今頃の季節の店頭には大きな壷焼きの釜が有り「焼芋」の香ばしい香りがする。
夏場の店頭には「氷」の旗が翻り叔母さんが「掻き氷」を売っている。
店先でも食べられたし注文で出前もしてくれる。
出前用の岡持ちに入れて家まで届けてくれた。

「アイス」や「アイスモナカ」に「冷やし飴」「冷やしコーヒー」「ラムネ」も売っていた。
多角経営と言うかカメレオンと言うか季節にさり気なく溶け込んだ忍者のような店です。

店の叔父さんは夏になれば素肌に手拭で作ったノースリーブのシャツを着て赤いリヤカーを改造した三輪自転車に氷を積んで配達します。
両肩から二の腕と背中には「桜散しに金太郎の鯉掴み」の刺青が有り得意顔です。
秋から冬と春は自慢の薄着が出来ないので元気が有りません。

あんな叔父さんが町内を配達していた時代には小学生が連続して殺されるような悲惨な事件は起りませんでした。
あの頃が懐かしい・・・

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