氣楽亭 日乗

大阪生まれで奈良県広陵町の長閑で氣楽な田舎暮らしの氣功師が氣ままに綴る懐かしい昭和の年代記です。

豆腐屋のラッパ

2005-12-13 10:02:21 | 懐かし商店街
昭和30年代の中頃に近所の商店街に「K豆腐店」が有りました。
朝早くから豆腐を作り油揚げや飛龍頭(ひろうす、ガンモドキ)も店で作り大きな鍋で揚げています。

夕方になると息子(私より年長の友人)が運搬車の荷台に豆腐や油揚げ、飛龍頭などを積み込んで街へ外売りに出かける。
真鍮の小さなラッパを「プゥ~プゥ~プゥ・・・」と鳴らしながら霜焼けで赤く腫上がった手でハンドルを握り売りに来ます。
腰には市車やバスの車掌さんが持つような皮のカバン(大きなガマグチの様な)に売り上げを入れている。

近所の散髪屋で漫画の本を読んでいると(散髪する時以外にも遊びに行っていた。)自転車を停めてサボりに来る。
其の頃の散髪屋はまるでサロンのような役割もしています。
町内の暇人が将棋を指したり噂話や煙草を吸いに立ち寄る。
勿論、散髪もして貰うのですがせいぜい月に一回位です。

暇な私はKが煙草を吸ってサボッっている間にラッパを吹いて近所を廻る・・・
プゥ~プゥ~プゥ・・・」
ラッパを聴きつけた近所のオバサン達が散髪屋の店先へ豆腐や油揚げを買いに来ます。
Kは帰り際に油揚げや飛龍頭を新聞紙に包んでくれました。
油揚げや飛龍頭を甘辛く煮付けたのは今でも大好物です。

蝙蝠が飛び交う夕暮れの街と「豆腐屋のラッパの音」が懐かしい・・・

最新の画像もっと見る

コメントを投稿