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日本の夜明け ~エネルギー革命で日本は変わる

2013-08-16 14:44:40 | 塾長のまじめな話

国民もメディアも、まさか日本にはエネルギー資源があるはずは無いと思っています。
今その常識がメタンハイドレートによって覆されようとしています。
日本が「資源のない国」から「資源国」に変わる。
しかし、そこに立ちはだかる巨大な壁?

「希望の現場メタンハイドレート」青山千春氏著

(1)メタンハイドレートとは何か
(2)日本の海にどんなふうに賦存しているのか
(3)魚群探知機を使った安価な特許技術で何が分かる
(4)研究開発の最新の動きと「日本海連合」のパワー
(5)実用化で日本と日本国民にどんな恩恵があるか
(6)実用化へ克服しなければならないこと

について分かりやすく説明してくれます。

メタンハイドレートの調査、研究、開発者の著者と、そしてご主人であり、(株)独立総合研究所代表取締役社長として著者の研究と調査、開発に最大支援されている青山繁晴氏と共に、
6番目の課題すなわち「立ちはだかる巨大な壁」のとの格闘をドキュメンタリー小説ではない現実として緊迫感と迫力で描写しています。


(1)メタンハイドレートとは何か
エネルギー資源として利用されている天然ガスは、その主成分がメタンガスです。
そのメタン分子を、水分子が籠のように囲む構造がメタンハイドレートです。
この分子構造は高い圧力と低い温度で保たれるため、日本の周辺では、高い水圧と低い水温の海底に賦存しています。
海底から船上に引き上げれば、水とメタンに分かれます。そのまま天然ガス火力発電所で燃やして発電することができます。
またそのまま都市ガスとして台所で使うこともできます。
つまり既存の施設を利用できる、インフラ設備はすでに基本的にはほぼ整っているというメリットがあります。

(2)日本の海にどんなふうに賦存しているのか
太平洋側を中心にある深層型ないし砂層型(海底深くに砂に混じって賦存するメタンハイドレート)
日本海側にある表層型(純度の極めて高い塊で海底に露出するか、海底下の浅いところに賦存するメタンハイドレート)

(3)魚群探知機を使った安価な特許技術で何が分かる



魚群探知機を使うと、メタンプルームを見つけることができます。
このメタンプルームは、表層型メタンハイドレートのある位置を示してくれます。
メタンプルームのあるところを狙ってピストンコアリングを行うと高い確率でメタンハイドレートを撮ることが可能です。
※IPS細胞技術の特許と同様、特許料が目的ではなく、安価なコストで調査、研究、開発面で広く利用でき、実用化を促進できることを目的にしています。
 もし、他国が利益のために特許を取得したら、世界規模の恩恵が一国、一企業の利権に変わってしまうでしょう。

(4)研究開発の最新の動きと「日本海連合」のパワー
太平洋側のメタンハイドレートは主に、深い海底の、さらにそこから300m~700m掘って、ようやく見つかります。
しかもメタンハイドレートが分子レベルで砂と混じり合っています。
当然、見つけにくく採りにくく、砂と分けるのにコストがかかります。
政府が2018年までに技術基盤整備を完了し、その後民間に下ろして実生産に向けての開発をすれば、2023年以内に実用化できます。
日本海側はメタンハイドレートが露出しているか、せいぜい100m掘れば見つかり、しかも純度90~99%の白い塊で存在しています。
著者の活動により、太平洋側に数年遅れで日本海側のメタンハイドレートの存在があきらかになり、
またその活動により、日本海側府県の知事会を中心に2012年9月「日本海連合」が設立され、自治体の協力を得ることができるようになりました。
政府の研究開発は遅れて始まりましたが、太平洋側よりずっと簡単に実用化できるはずです。

(5)実用化で日本と日本国民にどんな恩恵があるか
天然ガス国内消費量の100年分以上あるだろうと、言われています。
天然ガスを輸入に頼らなくて済みます。輸出国になれるかもしれません。
わが国は現在、輸出国の言い値で資源を輸入し、高い電気代やガス代を払っています。
これら生活に欠かせない費用が画期的に安くなります。

各産業の最大のコストが電気代や燃料などのエネルギーの料金です。
これらの料金が安くなれば、当然、企業や個人事業の業績は良化し、景気も良くなり、より高い経済成長が期待できるでしょう。
さらにメタンハイドレートを採取するために、雇用が増え、地方経済を再生させることができます。

「資源輸入大国」だったわが国が、本物の「資源大国」になれます。

(6)実用化へ克服しなければならないこと
このようにメリットがたくさんあって、デメリットが少ないメタンハイドレートですが、取り巻く環境は決して恵まれていません。
「祖国にとっても、われわれにとっても、子々孫々にとってもすごくいい話なのにどうして?」


「実用化へ克服しなければならない課題」
まさに、日本の置かれた現状であり、日本人が背負った負の遺産であり、日本人自身が克服しなければならないまさしく「壁」と言えるものの姿をこの著書はありありと描いています。

この本のタイトルに使われている言葉「希望の現場」は、日本人自身が背負った課題は自身で乗り越えなければならない、そして乗り越えられるだろうことを、示唆してくれています。

一読をお勧めしたい書籍です。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
化石燃料 (yukomama)
2013-08-17 01:02:33
日本のことを「隠れた資源大国」と表現する
例が増えてきてるようです。
近年ニュースで取り上げられる事の多い
領土問題ですが、実は”真の目的”は
メタンハイドレートを含む地下資源だと
言われているんですね。
良くも悪くも注目度が高まっている物質に
今後の研究を望みたいです。
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本の紹介 (rokuemon)
2013-08-17 07:14:09
この本をみなさんに紹介したくて、優子ママさんの紹介記事を少しマネしました。
この本で、日本人社会の根深い問題点がありありとかかれています。
一人一人の問題でもあり、どう向き合うか問われると思います。

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Unknown (gion_hatada)
2013-08-18 23:06:55
こんばんわ!海洋資源豊富な日本であってほしい。日本人ならみなそう思います。でも中国、などもこの資源を狙って、今は、外交がうまくいかないのが断念で仕方ありません。
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豊かな資源国、日本 (rokuemon)
2013-08-19 15:57:35
畠田さん、
「豊かな資源国、日本」夢のようですね。
しかし、この本で語られているのは、喜べない現実です。
国民の期待とは裏腹に利権に絡む国の指導者(議員、官僚)やマスコミや企業の思惑。
それだけではなく、原油に関わるメジャーなど国際社会からの圧力。
「南京大虐殺」「従軍慰安婦」「尖閣諸島」「竹島」問題にさえ確かな態度を示せず、
翻弄されている国の指導者たちをみるにつけ、疑問がわいてきます。
日本国民とその指導者たちは毅然と国益を主張できるだろうか?
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