204290 日本経済が抱える3つの爆弾~業績悪化・株価下落・倒産リスク
猛獣王S ( 30代 営業 ) 09/04/13 PM06
『日本経済が抱える3つの爆弾』(ゲンダイネット)リンクより転載します。
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15兆円の追加経済対策と米国株高の効果もあってか、平均株価が約3カ月ぶりに一時9000円台を回復し、市場に活況が戻ってきた感がある。だが、実体経済の好転を伴わない上昇だけに、割高感を指摘する声も出始めた。まやかしの株価上昇。その陰で、日本経済の抱える3つの爆弾は破裂寸前だ。
●業績悪化が本格化
今週に入り、企業業績の下方修正が続々と公表されている。シャープは1000億円としていた09年3月期の最終赤字を1300億円に拡大させ、三井住友FGは1800億円の黒字予想から一転、3900億円の最終赤字に転落すると発表した。さらに京浜急行電鉄、トクヤマ(化学品、セメント中堅)、ミスミ(金型部品)……と下方修正ラッシュが止まらない。
第一生命経済研究所の嶌峰義清主席エコノミストが言う。
「今後は今期(10年3月期)の通期予想が次々と発表されます。日銀短観によると、今期の大企業の経常利益はマイナス11%。下方修正に加えて、企業業績は大幅減益となる公算が大きいのです」
業績悪化はこれからが本番だ。倒産件数もウナギ上りになる。帝国データバンク情報部の中森貴和氏が指摘する。
「昨秋以降、中小企業向けの緊急融資が実施されましたが、効果は持って半年でしょう。効果が消える今夏以降、倒産急増の恐れが高いのです」
08年度の上場企業の倒産は、戦後最悪となる45件だったが、09年度はこれを軽く超えることになりそうだ。
●株価5500円まで下落
いまの株式市場は09年3月期決算を見据えているが、これから5月にかけては懸念材料がいっぱいの10年3月期を織り込むことになる。
「景気が低迷した90年代後半の4月、5月のPER(株価収益率)は、約50倍でした。当時と同程度のPERになるとすれば、平均株価が5500円に下落してもおかしくありません」(嶌峰義清氏=前出)
●見えにくくなる倒産リスク
倒産リスクを見えにくくするような制度の見直しも実施される。
金融庁は、09年3月期決算から決算書に記載されるゴーイングコンサーン(継続企業の前提)の基準緩和を決めた。これまでは債務超過や継続的な営業赤字は、ゴーイングコンサーンの対象だったが、適切な対応策があれば注記の必要がなくなる。
「投資家に安心感を与えるための措置でしょうが、目くらましに過ぎません。注記が消えたからといって、業績が上向く保証はないのです」(中森貴和氏=前出)
08年4―12月の注記企業は126社あった。09年3月期にその数が減少しても、「危険な企業」が減ったのではなく、ただ見えなくなっただけだ。これでは投資家はかえって疑心暗鬼になってしまう。
失業率4.4%も年末には6%近くまで高まるというのがシンクタンクのコンセンサス。日本経済はパンク寸前に追い込まれている。
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猛獣王S ( 30代 営業 ) 09/04/13 PM06
『日本経済が抱える3つの爆弾』(ゲンダイネット)リンクより転載します。
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15兆円の追加経済対策と米国株高の効果もあってか、平均株価が約3カ月ぶりに一時9000円台を回復し、市場に活況が戻ってきた感がある。だが、実体経済の好転を伴わない上昇だけに、割高感を指摘する声も出始めた。まやかしの株価上昇。その陰で、日本経済の抱える3つの爆弾は破裂寸前だ。
●業績悪化が本格化
今週に入り、企業業績の下方修正が続々と公表されている。シャープは1000億円としていた09年3月期の最終赤字を1300億円に拡大させ、三井住友FGは1800億円の黒字予想から一転、3900億円の最終赤字に転落すると発表した。さらに京浜急行電鉄、トクヤマ(化学品、セメント中堅)、ミスミ(金型部品)……と下方修正ラッシュが止まらない。
第一生命経済研究所の嶌峰義清主席エコノミストが言う。
「今後は今期(10年3月期)の通期予想が次々と発表されます。日銀短観によると、今期の大企業の経常利益はマイナス11%。下方修正に加えて、企業業績は大幅減益となる公算が大きいのです」
業績悪化はこれからが本番だ。倒産件数もウナギ上りになる。帝国データバンク情報部の中森貴和氏が指摘する。
「昨秋以降、中小企業向けの緊急融資が実施されましたが、効果は持って半年でしょう。効果が消える今夏以降、倒産急増の恐れが高いのです」
08年度の上場企業の倒産は、戦後最悪となる45件だったが、09年度はこれを軽く超えることになりそうだ。
●株価5500円まで下落
いまの株式市場は09年3月期決算を見据えているが、これから5月にかけては懸念材料がいっぱいの10年3月期を織り込むことになる。
「景気が低迷した90年代後半の4月、5月のPER(株価収益率)は、約50倍でした。当時と同程度のPERになるとすれば、平均株価が5500円に下落してもおかしくありません」(嶌峰義清氏=前出)
●見えにくくなる倒産リスク
倒産リスクを見えにくくするような制度の見直しも実施される。
金融庁は、09年3月期決算から決算書に記載されるゴーイングコンサーン(継続企業の前提)の基準緩和を決めた。これまでは債務超過や継続的な営業赤字は、ゴーイングコンサーンの対象だったが、適切な対応策があれば注記の必要がなくなる。
「投資家に安心感を与えるための措置でしょうが、目くらましに過ぎません。注記が消えたからといって、業績が上向く保証はないのです」(中森貴和氏=前出)
08年4―12月の注記企業は126社あった。09年3月期にその数が減少しても、「危険な企業」が減ったのではなく、ただ見えなくなっただけだ。これでは投資家はかえって疑心暗鬼になってしまう。
失業率4.4%も年末には6%近くまで高まるというのがシンクタンクのコンセンサス。日本経済はパンク寸前に追い込まれている。
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