Studioきのんち

作編曲家でOWLのキーボーディスト 木ノ下達也のブログ

PLAY PIANO?

2012-08-01 13:07:49 | 楽器、PC
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うちのRhodesはmark1のFR7710 スーツケースタイプ
1975~79年頃にアメリカで生産されたもので当時の日本代理店は山野楽器。
Rhodesのシリーズの中では比較的よく目にする機種ですから、当時そこそこ売れたのかな。
深めの木製鍵盤でグリッサンドなどはかなり根性要りますし、しっかり打鍵しないとスカったりしますが、やはりそのレスポンスやダイナミクスはデジタル楽器では得難い”楽器を弾いてる”って感じがしっかりあって気持ちよいモノです。


70年代後半といえば、自分は小学校低学年だったくらいで、テレビではキャンディーズが全盛期だった頃でしょうか。
ドラマではあちこちでクロスオーバーなサウンドが使われており、Rhodesもオルガンと共に活躍していた時期だったと記憶しています。
でも、自分が高校生になって音楽を始めた頃はすでにDX7の時代。
80年代後半から90年代にはもはや見たこともない幻の楽器にすらなっていました。


その後2000年代に入る前後からアシッドジャズなどでそのクールなサウンドが再評価され始めたのですが、そのおかげで当時の取引価格は貴重な楽器ということもあり結構な値が付いていたものです。
特にスーツケースタイプは30~40万と高額でしたが、それでもホイホイ売れていたと記憶してます。


しかし、ここへ来てどうもオークション等でも買い手が付かなくなってきてるように思われます。
スーツケースタイプでももはや10万代で売れ残るありさま。
やはり昨今のサンプリング技術によるリアルな音源が幅を利かせてきたせいでしょうか。
むしろそっちの方がより状態の良い音を出せるといっても過言ではなくなってきてますからね。



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うちの子も30年以上も前の製品なわけですから、やはりあちこち傷みだしてきております。
現状トレモロが効かなくなてっおり、キャビネットのグリルの木枠も一部折れてます。
譲り受けたときからそうでしたがトーンバーも湿気にやられて結構サビもヒドい。


とは言え音はそれなりに出ておりますし演奏上さして問題はないのですが、
昨日演奏中に中でカシャンという音とともにサスティンペダルが効かない状態に。
開けてみるとサスティンペダルで作動させるボード状のパーツの軸受けが片方外れております。
この軸受けはダボがはめ込んであるだけなのですが、ダボを固定するネジがもうすっかりバカになっておりすぐすっぽ抜けてしまうようです。


とりあえずダボ受けに詰め物して抜けにくくはなりましたが、何れせよ一度メンテナンスに出さないといけないなあ。


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とまあ、こんな具合に手も入れなければならないアナログでメカニカルな仕様でありつつ、方やサンプリング音源では最高のコンディションのものを最高の環境で録音した音で、しかもメンテナンスフリーと来りゃまあ需要も減りますわね。
かく言う自分も制作の時は殆どソフトサンプラーだったりしますしそれはそれで便利なモノではありますが、演奏者としてそこで音を生み出す、発生させるという感覚をを忘れないためにもこういった楽器はやはり必要な存在なのであります。


だいたいもう見た目だけでセクスィーだし、インテリアとしても抜群です。
当初、航空機のパーツを使って組み立てられたというだけあってどこか工業的なインダストリアル感がオシャレ。
今なら相場も少し下がってますし、あなたもお部屋に一台いかがですか。
DO YOU PLAY PIANO?