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「謝れ」男

2010年07月14日 | おかしな人々
 ある、日本人用の日帰りツアーに参加した時の話し。
 例によってガイドが観光バスと共に遅刻。まあ、お国柄。すると、日本人の彼女連れの若い男が、いきなりガイドに向かって、「謝れ」と言う。ガイドもお国柄で「仕方ない」と反論、すると、男、「謝れ」と怒鳴り出した。車内が凍り付くほどの勢いで。凄い勢いで「謝れ、謝れ」それしか言わない。
 ガイドも自分の非を認めない国民性なので、反論する。すると、その男、実に流暢なその国の言葉で怒濤のように怒鳴り続ける。ガイドもビックリ。我々も、「そんだけしゃべれるんなら、観光ツアーなんか使わないで自分で行けばいいのに」ってなくらいでビックリ。
 収集つかないまま、楽しい筈の観光ツアーが真っ青状態。
 最後はガイドが、「ごめんなさい」と日本語で謝った。すると、「謝れ」男、一瞬にして黙る。
 謝って貰えれば気が済むらしい。

 最終テーマパーク観光も観終わり、いよいよ帰路に着くその時、一組の中年夫婦が、「最初に寄った土産物屋で買いたい物がある」と言い出した。もうダメでしょう。ところが意外や意外。ガイドがその夫婦だけ連れて戻ったのだ。多分、土産物屋からガイドへバックマージンがあるのだろう。
 まあ、日本からはるばる来ているのだから、思い残す事はないようにしたいのは分かるが、だったら、テーマパークに行かないで土産物屋に戻るべきでしょ!
 残された我々参加者は、何もすることも無く約1時間、駐車場で時間を潰すしかない。
 ようやくくだんの夫婦とガイドが戻り出発となったその時、出た、「謝れ」の大声。しかし、これは妥当だ。その夫婦、「買えて良かったねー」なんて話しながら平然とバスに乗り込んで来たのだ。
 「謝れ」(それしか言わないのだが)を連呼する、「謝れ」男。
 さすがにご主人の方が、「すみませんでした」とは言っていたが、大人の謝罪とは思えないほど軽い。しかし、それでも謝れば、「謝れ」男は納得するらしく、その後は大人しくなった。
 一体なんだったのだろう? あの「謝れ」男。

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