.

.

迷惑な旅行

2010年07月14日 | おかしな人々
 香港人の女性から、「北海道に旅行に行きたいので宿に予約を入れて欲しい」と頼まれたことがある。彼女は、日本語はもちろん、英語も出来ないので頼んできたのだが、今、思うとなぜインターネットで予約をしなかったのだろう?
 とにかく、「電話して欲しい」とのことだった。こちらも自分の電話で国際電話を掛けるほど親しい間柄でもないので、「あなたの電話でなら」と引き受けたのだが…。
 彼女が指定したのは、小樽の旅館。日本語も出来ないのに、電話には「もしもし」と出るくらいに日本に憧れている彼女なので、日本情緒のある宿に泊まりたかったのだろうね。ガイドブックを見て決めたらしい。
 待ち合わせて、街角で(そういうところ彼女は気が利かない)立ったまま、国際電話を生まれて初めて掛けた。
 名前は忘れたがその旅館はかなりグレードが高いとみえて、日にち、人数、部屋数、部屋の値段などを聞いてきた。その度に彼女に聞く。
 さらに、窓からの景観や食事の内容、到着時間などなど、はっきり言って、「どうでもいいよ」という細かいことまで予約時に聞いてくるのだ。実に丁寧。日本人の自分でも、「こんなすげー旅館泊まったことないよ」ってなグレード。
 問題はここから、そうすると、「部屋は山沿いがいいのか、庭園がいいのか」と聞けば、その都度彼女は、同行する友人に電話して聞くのだ。
 「お前が決めろよ」と歯ぎしりするほどの回数、電話するのだ。旅館側もまとめて聞いてくれればいいんだけど、まさか、いちいち、その場に居ない同行者に電話するとは思わないよね。自分もそうだ。
 「到着時間は?」。えーっ、また電話するの?
 「食事は部屋か広間か?」。えーっ、それも電話するの?
 「和室がいいか洋室がいいか?」。どっちでもいいじゃん。そんなことまで電話するの? しかも電話の相手も即決出来ないのだ。
 5~6回目に切れた!
 ホテルの従業員に、「そちらに英語の話せる人は居ますか?」。もう付き合っていられない。
 「平日の9~17時なら英語の話せる人が居るから、あなたと一緒に旅行する友人英語話せるんでしょ? 自分で電話した方がいいよ」。

 その旅行から約ひと月後、彼女から「お土産がある」からと食事に誘われた(割り勘だけど)。
 すると、楽しかったのでしょうね。道南の旅。200枚以上もの写真見せられてもー、ねぇ??? しかも、知らない人の写真も。
 お土産? 頂きましたとも、ひと月前に賞味期限の切れた「生八つ橋」。
 一瞬、顔が強ばったのだろう、「大丈夫だ。お店の人がそう言ってた」と彼女は言うが、それは買った時の話し。いくら外国人でも日本語出来なくても、西暦の年月日くらいは分かれよ。
 ズレてるよねー。一緒に働いている人は大変だぁ。

コメントを投稿