kimitsuku独り言

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ひとりブツブツ独り言

平安女性の和歌二首

2023年04月23日 | 日記

                   

島内景二 著『王朝日記の魅力』は、平安時代の女性が遺した日記文学

「蜻蛉日記」「更級日記」「和泉式部日記」から

現代を生きる私たちに、何かを問い掛ける古典解説書のように思います。

1000年以上も昔の日本に生きた女性たちの

思考や心情、その生涯などを想像しながら

愉しく読み進めています。

今回は、二つの和歌を紹介して平安女流文学の一端を愉しんで頂きましょう。

              

『蜻蛉日記』は、954年から974年までの出来事が書かれており

作者は、藤原道綱の母と言われています。

彼女がが詠んだ和歌

   

・・歎きつつ ひとり寝(ぬ)る夜の 明くる間は
いかに久しき ものとかは知る・・

≪現代語訳≫

嘆きながら、独りで寝ている夜が明けるまでの時間が

どれほど長いかご存じでしょうか? きっとご存じないでしょうね

                   

『和泉式部日記』は、1003年春から1004年正月までの

出来事を書いた、恋多き「浮かれめ」和泉式部の日記です。

最も知られる和歌が

   

・・あらざらむ この世の外の 思ひ出に
今ひとたびの 逢ふこともがな・・

≪現代語訳≫

もう直ぐ私は死んでしまうでしょう。あの世へ持っていく思い出として

今もう一度だけ、お逢いしたいものです

    

想うことを遠回しに伝えるのが、≪美≫であり≪教養≫だった古えの時代

此の二つの和歌は、秀歌として和歌集に載せられ現代へ遺されました。

略文メールに馴れた現代の世に、彼女たちがタイムトリップして来たら‥

さぞかし面白いドラマになりそうな‥

コメント
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