


藤沢周平の原作によるTVドラマ『三屋清左衛門残日録』が再放送中です。1985年から89年に掛けて連作
短編時代小説として書かれた原作を、1993年にはNHKが仲代達矢で、2016年にはBSフジが北大路欣也で、
制作した連続ドラマを同時に放送しているので、比較しながら楽しんで観ています。
東北の小藩で役職から隠居した三屋清左衛門が、日々の想いを書き記した日記「残日録」を基に、老いの
気楽さと寂しさ、嫁への気遣い、若い女将への恋慕、藩内の勢力争いなど 「日残リテ昏ルルニ未ダ遠シ」の
心境その侭の日常を描いています。清左衛門と息子夫婦や幼馴染みとの交流も、如何にも 藤沢作品らしい
温かな視点が感じられ、此のドラマに清涼感を与えているように思います。重厚でありながら軽妙なところも
ある清左衛門を演じる仲代と北大路では、それぞれ好みも有りましょうが Kimitsuku 的には仲代達矢に


何とも云えない可笑しみと、未だ昏るるには早い男の色気が…

特に制作後24年を経過しているNHK版 『三屋清左衛門残日録』は、時代小説の面白さを堪能させてくれる
好作品で『蝉しぐれ』同様、Kimitsukuの心に永遠に残る藤沢作品になっています。また明日が楽しみで~す。