
久し振りに母を訪ねて日高路へ。札幌から3時間の道程ですが、なかなか訪ねることが出来ずにいます。
近くに住む弟夫婦の話では元気に暮らしているとのこと、申し訳ないと思いつつ多忙に取り紛れて…。
我が家を出て2時間近く車を走らせると、懐かしい故郷の光景が視界に広がりました。遠く遥かに日高山脈、
緑の牧場には馬や牛が草を食み、右手には白い波が打ち寄せる雄大な太平洋が広がっていました。
・・・ふるさとの 山に向ひて 言ふことなし ふるさとの山は ありがたきかな・・・まさに啄木の心境そのものです。


母の部屋を訪ねると…ベッドでしっかり手をつないで寝ているふたり。仲良しのOさんとは何をする時も一緒に
連れ立って…とは聞いていましたが、まさか昼寝も一緒とは…





目覚めた母は私が誰か分からず、でも見覚えがあるのか懸命に思い出そうとしているような表情…。
「昔、お世話になった者です」と言うと、にっこり笑ってくれました。99年間を生きて、良いことも悪いことも忘れて
今こうして長閑に日々を暮らしている母を見ると、人生これでいいのだ…

持参した好物の赤飯やプリンを美味しそうに食べながらも、時折り私の顔をジーッと見る訝しげな表情が何とも
可笑しいやら切ないやら…。生きるって大変なこともあるけれど、まんざら悪いものじゃ無いかもねぇ~

楽しげにOさんと談笑する母の笑顔に元気を貰い、「また来るネ、元気にしていてネ」と帰宅の途に就きました。