農薬や化学物質に弱いため環境指標生物とされているミツバチが安心して生活し、飛び交
っている農地で収穫された作物は、人間にとっても「安全・安心」であるといことで、農産品の
付加価値を高め、減農薬農業を普及させ、環境保全にも資するという「茨城みつばちの里づ
くり協議会」がスタートしました。「銀座ミツバチプロジェクト」が事務局となり、「かしまミツバチ
プロジェクト」は稲敷市におけるみつばちの里づくりに協力することになりました。
一昨日、メンバーの一人が大切に飼育している日本ミツバチを稲敷市に運搬し、設置しま
した。これが設置後の写真です。いつ分封しても良いように、分封群を止まらせる板も設置
(写真左上)しました。
その巣箱の前で、銀座ミツバチプロジェクトの高安理事長が雑誌社の取材を受けていると
ころです。
稲敷みつばちの里づくりはこれからです。そのため、この春から日本ミツバチを沢山捕
獲しなければなりません。そこで、この日は日本ミツバチを捕獲するために待ち箱11個を
設置しました。みんなミツバチになったつもりで、ミツバチが好みそうな場所を選んで、待ち
箱を設置しました。以下の写真は設置状況の一部と記念写真です。
昨年の初夏に捕獲し大切に育ててきた日本ミツバチを、一時的に貸し出すことになりました。
貸出先は「稲敷みつばちの里づくり」のための活動拠点です。農薬や化学物質に極めて弱い
ことから環境指標生物とされているミツバチが生活し、飛び交っている農地で採れた農産品
は、「安全・安心」な食べ物として評価出来るのではないかという先進的な取り組みです。こ
の取り組みに協力するため、私の秘蔵っ子のミツバチを活動開始のための最初のミツバチ
として利用してもらうことにしました。
今回は、昨秋一ヶ月以上もかけて敷地内を移動してきたような、人力で巣箱をそっと移動
させるのではなく、振動や衝撃が巣箱に加わる恐れのある車での移動のため、色々な工夫
が必要でした。そのため、日本在来種みつばちの会の藤原会長や、銀座ミツバチプロジェク
ト高安理事長にも相談しながら、運搬のための対策をしました。
上の写真は巣箱の裏側です。それぞれの重箱を固定するために2本の桟木を縦に通し、
ビス留めしました。電動ドライバーを使う際には出来るだけ巣箱に振動や衝撃が加わらな
いよう慎重に作業しました。巣箱の横側には持ち手も付けました。
花粉や花蜜を採取するために外に出ていたミツバチがほとんど巣箱に戻った日暮れ時を
見計らい、巣門を閉じました。但し、巣門は完全に閉鎖をするのではなく、巣門をネットで覆
い、ネットには多少のゆとりを持たせるようにしました。こうすると巣門から外も覗けるし、ち
ょっと巣箱の外にも出ることも出来ます。ミツバチは巣門が完全に閉鎖されるととても焦り、
興奮して発熱し、その熱により死んでしまうそうです。そのための対策です。もちろん、運搬
中の振動などで興奮して発せられる熱を少しでも外に逃がす役割もあるのだと思います。
巣門をネットで閉じた後、さらに通気性のよい布で巣箱全体を覆い、車の荷台に括り付け
ました。巣箱に下には布団を敷き、さらにクッションをかませました。また巣箱の前後もクッ
ション材で衝撃を和らげるようにしました。この状態で約1時間かけて運搬しました。なお、
あまり意味が無いと言われましたが、巣箱の上には保冷剤を数個置きました。これは巣箱
内の温度上昇を少しでも抑えられればとの思いからやってみました。
運搬中にミツバチが騒ぐこともなく、無事異動先に着きました。受け入れ先では、予め巣箱
を乗せるための準備をしておいて貰いましたので、そこに巣箱を乗せました。その後、逃去
防止のための「ハチマイッター」を取り付けた箱枠をはめ込み、当日の作業は終了しました。
意外とあっさり移動が完了したので、ちょっと調子抜けの感もありましたが、十分に準備が
出来ていたから問題も起こらず無事搬送出来たのだとも思いました。
これが翌日の朝の状況です。最初は「ハチマイッター」の出入りが難しそうでしたが、次第
に慣れてくる個体が増えてきたように思います。
お昼過ぎには、沢山の働き蜂が花粉を運ぶ様子が確認出来ましたので、夕方には「ハチマ
イッター」を取り外しました。そして、巣箱の前には分封群を止まらせるための板(写真左上
にぶら下がっている板)も取り付け、分封群を捕獲する段取りも行いました。ここで当分、我
が家のミツバチは働くことになります。頑張れ~~
ミツバチを飼育する際には、水場が必要です。特に春と夏にはミツバチは水をほしがるそうで
す。その目的は春と夏とでは違うようで、春は蜂児に餌として与える蜂蜜に水を加えて薄める
ために、また夏は巣箱内の温度を水の気化熱で下げるためだそうです。春から夏にかけての
流蜜期には花蜜に含まれる水分があるから、何とかなるのだそうです。
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YouTube: ミツバチの水飲みシーン
上の動画の左手前は西洋ミツバチで、他は日本ミツバチです。この水場は西洋ミツバチの
蜂場に置いてあるものですが、日本ミツバチもよく利用しているようです。あわよくば西洋ミツ
バチの巣箱に盗蜂に入ろうと思っているのかも知れません。
下の動画では日本ミツバチが舌を出して水を飲んでいるところがよく判るかと思います。
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YouTube: ミツバチの水飲みシーン2
なお、水場でミツバチが溺れないよう、我が家では木切れと水苔を利用しています。
昨日は、天気も良く気温も12℃近くまで上昇しました。お昼過ぎに我が家の日本ミツバチの巣
箱の前を通ると、巣門前で日本ミツバチが大騒動していました。いつもオリエンテーリング飛行
(時騒ぎ)をするような時間帯なので、恐らく若バチ達が自分の巣箱を覚えるための飛行をして
いるのだと思いますが、余りの多さにびっくりです。巣門を冬対応で狭めていることが騒ぎを大
きくしているのだと思いますが、見つけてから10分程度で何事も無かったかのように静かにな
りました。
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YouTube: 日本ミツバチ巣門前大騒動
ほぼ一ヶ月前に奨励給餌をし、その後も数回給餌をしてきましたが、気温が低く、天気も良
くない日が多かったために、内検までは出来ていませんでした。しかし、昨日は天気も良く、
気温も12℃まで上がりましたので、今年初めての内検をしました。
巣板を引き上げてびっくりです。思いの他ミツバチの数が多く、巣板にびっしりくっついて
いました。産卵や幼虫、そして有蓋蜂児(サナギ)も確認出来ました。余りにも働き蜂の数
が多くて、女王蜂を見つけることは出来ませんでした。でも卵は確認出来ましたので、確
実に女王蜂は産卵活動をしており、健在だと推定出来ます。
今年のこの地方は一ヶ月以上も梅の開花が遅れているようで、この辺りでもやっと咲き
始めた状態です。このまま、順調に多くの花が咲き始め、ミツバチも順調に数を増やしてく
れればと思います。
一週間程前に西洋ミツバチの巣箱に日本ミツバチがやって来ていました。気付いた時は一
匹だったのですが、そのうちに数匹と数が増えました。日本ミツバチは巣門近くまでは行くの
ですが、西洋ミツバチに撃退されて直ぐに引き下がります。巣門も冬対策のままで狭めてい
ますので、西洋ミツバチもガードしやすかったのだと思います。
撃退された日本ミツバチは巣箱の前でお尻を上げてお腹をヒクヒクさせています。板を登
り切ったところが西洋ミツバチの巣門になります。
その脇では3匹の日本ミツバチが同じようにお尻を上げてお腹をヒクヒクさせています。これ
は仲間を集めるための匂い物質を放出しているのだと思います。若いハチ達がオリエンテ
ーリング飛行(時騒ぎ)をしている時も巣門の近くには必ず数匹のミツバチがお尻を持ち上
げてお腹をヒクヒクさせているのが観察されます。巣から出たばかりの若蜂が巣箱を見失
わないように匂い物質を出しているのだそうです。恐らくそれと同じようなことを西洋ミツバ
チの巣箱の前で行い、仲間を集めて西洋ミツバチのハチミツを強奪しようと目論んでいるの
ではないかと思います。普通は西洋ミツバチの方が日本ミツバチの巣箱を襲ってハチミツを
強奪(盗蜂)すると聞きます。我が家の西洋ミツバチの群勢が弱いからなのかなのでしょう
か。