昨日の日本経済新聞にミツバチの幼虫を女王蜂に成長させるタンパク質が特定されたとの
情報が掲載されました。働きバチも女王蜂も同じ受精卵から生まれます。しかし、生後6日か
ら12日の間にだけ働きバチの若蜂の下咽頭線から分泌されるロイヤルゼリーを食べつつけ
た幼虫だけが女王蜂に育つのです。そして成長してからも女王蜂はずっとロイヤルゼリーを
食べ続けて3~5年の間生きけます。それに対して、働きバチは生まれて30日程度で死んで
いきます。そんな大きな違いとなるのはひとえにロイヤルゼリーを食べ続けたか、否かだけな
のです。依然として人気の高いロイヤルゼリーですが、未だに十分解明されていないのが実
情のようです。そんな中で今回一つの成果が得られたという訳です。ロイヤルゼリーは本当に
不思議な物質ですね。
新聞情報: 「royal.pdf」をダウンロード
先日活動を開始しました「かしまミツバチプロジェクト」のブログを新しく立ち上げました。これか
らプロジェクトに係る記事はそちらに掲載していきますので、どうぞよろしくお願いします。もち
ろん「気ままにかしまライフ」は今までどおりに不定期で気ままに書いていきますので、こちら
も引き続きよろしくお願いします。
かしまミツバチプロジェクトのブログ
鹿嶋市の協働のまちづくり活動団体の広報誌にミツバチプロジェクトの活動概要が掲載されました。下記をクリックして下さい。
神栖市で活動をされている「かみす菜の花プロジェクト」さんからお誘い頂き菜の花畑を訪
問させて頂きました。およそ2000m2の畑に今や盛りと菜の花が咲いていました。でもせっか
くの菜の花なのにミツバチが飛んでおらず、ちょっともったいない。
菜の花からは「菜花」「菜種油」「油かす」「バイオディーゼル燃料」などが採れます。つまり、
活動の結果蜂蜜や蜜蝋が採れるミツバチ飼育と似ています。しかも、「菜の花」と「ミツバ
チ」は切っても切れない関係です。何だか色々な展開が考えられそうで面白そうです。管理
面などで解決しなければならない問題もあり、今すぐには実現は難しい面もありますが、
いずれ連携出来れば面白いですね。
かしまミツバチプロジェクトが活動を開始しました。
この活動は、環境指標であるミツバチの飼育を通して自分たちの足元の自然環境を見つめ
るきっかけとし、花の多く策まちづくりや、ミツバチからの贈り物を利用した街おこし活動を進
めたいと考える仲間達が集まり立ち上がりました。
ミツバチの飼育は茨城県鹿嶋市にある鹿島神宮表参道「宮宿がんけ」の屋上に置かせて
もらうことになりました。ここを拠点に街おこしを仕掛ながら、周辺に蜜源植物の植栽活動を
展開したいと計画しています。そんなことがミツバチとふれあい、飼育や採蜜を楽しみなが
ら出来れば嬉しいですね。
4月10日、待ちに待った西洋ミツバチが届きました。下の写真は巣門を開けてミツバチを
飛び立たせる放蜂式の前に撮影しました。これからの期待で皆楽しそうです。
丁度この日は桜が満開になった日でした。早速ミツバチ達は桜が多く咲いている鹿嶋城
址めがけて飛んでいきました。
先週見つかったニホンミツバチの自然営巣群は手前右の石塔の石積みの中に住んでいます
が、ご近所の方から左奥に見える石塔の石積みの中にも新たにニホンミツバチが営巣したと
の連絡を受けて見に行きました。
これが新しく見つかった蜂群の巣門です。ここは以前もニホンミツバチが営巣していたそう
ですが、この間までは利用していませんでした。しかし、昨日のお昼過ぎに急に周囲が羽音
でうるさくなり、そのうちにこの隙間からミツバチが出入りするようになったとのことです。以
前からあった営巣群が分封したのか、他の群れが分封してここに移住したのかは不明です。
近くには分封群を捕まえるための巣箱を設置していますが、見向きもされなかったようです。
やはり捕まえるのは容易ではないですね。
写真上部のピーナッツの殻のようなものを王台と言います。その直ぐ右横にも小さな王台
があります。この小さな王台はこれからだんだんと成長することになります。王台の中には
次の女王蜂になる幼虫がいます。
働きバチの卵は写真中央部に見えるような六角形で口が水平を向いた巣房に生み付け
られますが、女王蜂が生まれる巣房は釣り鐘状のような形で入り口が下を向いており、これ
を王台と称します。この王台の中に生み付けられた卵から孵った幼虫に働きバチはローヤ
ルゼリーを与え続けます。そして産卵後16日目に女王蜂が誕生することになります。
新女王蜂が誕生する数日前に旧女王蜂は働きバチの半数を連れて巣から出ていきます。
これを分封と言います。このような自然に分封を発生させてしまうとミツバチの大群が空を
舞い、木の枝に蜂球を作ったりするので、ご近所にご迷惑をかけるばかりでなく、半数の働
きバチが居なくなりますので養蜂家にとっても大損害になります。出ていく働きバチはお腹
一杯にハチミツを貯えて出ていきますので、巣箱の中に溜まっていたハチミツも減ってしま
います。そのため、養蜂家はこの自然分封を防止しなければなりません。つまり、王台が出
来ればそれを壊していくというちょっと残酷なことをしないといけません。
写真は本日撮影の王台ですが、撮影後直ぐに壊しました。この王台にはローヤルゼリー
がたっぷりと入っていますので、ローヤルゼリーが収穫出来ます。小さな竹籤のようなもの
で掬い取り容器に入れて冷凍保存します。これからしばらくはこの王台壊しとローヤルゼリ
ーの収穫が続くことになります。このローヤルゼリーはいずれまた養蜂を続ける際には役
立つこともあるそうですが、それはまたの機会に書きたいと思います。
画面中央のひときわ大きい個体が西洋ミツバチの女王蜂です。働きバチ達が女王蜂の方
を向いていますが、これをローヤルコートと言います。働きバチは女王蜂を触角で触れてま
わります。これにより女王蜂が分泌している女王物質を受け取ります。働きバチはメスです
が普段は産卵しません。それはこの女王物質を受け取ることにより卵巣の発育が抑制され
ているからです。この物質は外勤蜂が集めてきた花蜜を口移しで受け取る際に他の働き
バチにも伝達され、群れ全体に行き渡ることになります。
この女王蜂のお世話をする働きバチは若バチが中心です。生まれて6日~12日目の働
きバチの下咽頭線からローヤルゼリーが分泌され、このローヤルゼリーが女王蜂の餌とな
ります。若バチたちが女王蜂にこのローヤルゼリーを口移しで与えます。