調子の悪い蜂群の女王蜂を取り替えることにしました。
女王蜂は上の写真のような輸送箱に入れられて送られてきました。輸送箱には、女王蜂
1匹と女王蜂にローヤルゼリーを与える若蜂が数匹が入っています。それに、若蜂の餌に
なる練糖も一緒に入れられています。上の写真の右側の白い部分がその練糖です。
輸送箱が届いた日の夕方、対象群から女王蜂を取り除き、無王状態にしました。
一晩無王状態にしておいた蜂群の全ての巣板に、脱脂綿に浸した「ハッカオイル」を塗り
つけてから輸送箱を巣板と巣板に間に挟み込みました。輸送箱が入ると、一斉に働き蜂
が輸送箱を襲いにやってきました。しかし、輸送箱には金網が張ってあり、中の女王蜂や
働き蜂は襲われません。「ハッカオイル」を塗るのは、前の女王蜂の匂いを消し、新しい女
王蜂が受け入れやすいよう、ミツバチをごまかすためだそうですためだそうです。
女王蜂が受け入れられる状況になったかどうかは、輸送箱に軽く息を吹きかけ、たかって
いるミツバチがさっと逃げるか否かで判断出来るのだそうです。さっと逃げれば受け入れ準
備が出来た(ミツバチが馴染んだ)と判断出来るようです。
輸送箱を入れてから3日目に、そっと息を吹きかけてみたところ、金網にかじり付いて離れ
ないミツバチがいました。まだ馴染んでいないようでした。そこで、巣板の様子を確認したと
ころ、写真のような変成王台が5~6個出来ていました。これは、前の女王蜂が生み付けて
いた卵から新女王蜂を作ろうとしている証拠なので、これらがあると新しい女王蜂が迎え入
れられません。かわいそうですが、全て潰しました。そしてもう一度、巣板に「ハッカオイル」
で匂い付けをしました。
それから2日目に確認したところ、息を吹きかけミツバチがさっといなくなりました。いよいよ
女王蜂誘入の次のステップです。
ミツバチ達が輸送箱の中の練糖を囓りながらお互い顔を合わせる状況を作ります。つまり、
トンネルを掘り進み、お互いが出会うという感じでしょうか。餌を食べながらトンネルを掘り
進んだミツバチはお腹が一杯なので、穏やかになっているので、けんかをせずにお互いを
受け入れやすくなるのだそうです。
そういう状況を作るため輸送箱の練糖部分の金網を開け、中のミツバチたちが食べて無く
なっている部分に新しく準備した練糖を追加しました。つまり、今までは金網が防衛ライン
となっていましたが、これからは練糖が防衛ラインという状態になります。餌を食べてしま
えば、もう防衛ラインは無くなってしまいます。
その後、台風などの来襲もあり内検するのが遅くなりましたが、金網を開けてから6日目に
確認したところ、上の写真のような状況になっていました。すっかり中が空っぽです。
女王蜂は無事受け入れられており、既に産卵も始まっていました。なんとか成功したのでは
ないかと思います。
因みに渡辺寛・渡辺孝共著「近代養蜂」には、輸送箱を蜂群に預けるタイミングは女王蜂を
除去してから出来るだけ早くと書かれています。但し、無王にして直ちに輸送箱を入れられ
ない事情のある場合には、無王状態を2昼夜経た後に預けるのがもっとも安全だと書かれ
ています。
今回は一晩だけしか無王状態にしていなかったため、変成王台を作られ、受け入れまでに
時間がかかってしまったようです。また一つ勉強することが出来ました。
練糖は「近代養蜂」を参考に作りました。蜂蜜1に対し、白砂糖5~6程度を乳鉢で練り込む
とされていますが、我が家には乳鉢がありませんので、小さなすり鉢を使いました。
よく練り込み、耳たぶ位の堅さにしました。すり鉢ではなかなか練り込みづらかったので、
ラップでくるんでグチャグチャと練り込みました。
今回の女王蜂の誘入の経験を活かし、来年は手持ちの蜂群の中で比較的優れている
と思われる蜂群の卵を利用して複数の新女王蜂を育成し、各巣箱にそれらの女王蜂を誘
入し、女王蜂の更新をしてみようと思います。
我が家の日本ミツバチがスズメバチを退治する現場をとうとう目撃しました。
巣箱を乗せている木製の台に何やら団子状のものがぶら下がっていますが、これがキイロ
スズメバチを巻き込んだ日本ミツバチの蜂球です。以外とミツバチの数が少ないのですね。
この塊を支えているのは大元は一匹のミツバチです。次の動画で確認してみて下さい。彼
女の頑張りが凄く伝わってくると思います。
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YouTube: 日本ミツバチがキイロスズメバチを退治しました
それにしてもキイロスズメバチは既に動かなくなっていました。私が気付いた時は蜂球が出
来てから少し時間が経過していたのでしょうね。
蜂球を支えていたミツバチが手を放し、ドサッと地面に落ちた直後の写真です。まだ一匹が
しつこくまとわりついています。今度は一斉にスズメバチの飛びかかる瞬間を目撃したいも
のです。