気ままにかしまライフ

趣味を楽しみながらのシニアライフを記事にしています。

イブキジャコウソウによるダニ駆除効果の確認試験(その3)

2021年07月25日 | 日記

今回もイブキジャコウソウによるミツバチヘギイタダニ駆除の効果確認。6月から実施してきた一連の実験の最後の結果を記録する。

先のブログ記載の通り、7月初旬、E群とF群の巣箱に他のダニ駆除剤は使用せず、イブキジャコウソウのみを投与し、巣箱底に設置した粘着トラップを設置6日で引き上げ、そこにトラップされたダニの数から、イブキジャコウソウのみの投与でもダニを駆除することができることを確認した。この1回目の実験の後、2回目の実験として同じE群とF群を用い、今度はイブキジャコウソウと既存ダニ駆除剤アピバールを併用し、イブキジャコウソウ単独で使用した場合とダニの駆除がどのようになるのかを比較することにした。

1回目の実験後、巣箱に入れていたイブキジャコウソウを取り出し、新鮮なイブキジャコウソウ100gとアピバール3枚を巣箱に投与し、巣箱底には新しい粘着トラップを設置した。粘着トラップ設置期間は8日間とした。なお、粘着トラップは目の細かいトリカルネットに紙製ガムテープを貼り、4辺は布製ガムテープを貼ることで紙製ガムテープの浮き上がりを防ぐことにした。

設置後8日目の粘着トラップの様子を写真1、写真2に示す。写真1に示すように、E群ではガムテープが激しく食い破られていたため、ダニの数は実際より少なく勘定されたと思われるが、面積比などで補正することはせず、あくまでもガムテープに残っているダニの数だけを結果とした。

写真1 E群の粘着トラップ(ミツバチに激しく食い破られている)

写真2 F群の粘着トラップ

この1回目と2回目の実験条件と実験結果を表1にまとめた。

表1から、粘着トラップが2日ほど長く設置されているものの、アピバールを併用した2回目の方がトラップされたダニの数は1回目よりも明らかに多くなっている。これはアピバールとの併用効果があるようにも見えるが、ダニが寄生しているミツバチが1日あたりに羽化する数が1回目と2回目の実験期間内でどうであったかは明らかではなく、必ずしも明確に併用効果があったとは言えないのかもしれない。

しかし、今回の一連の実験で、イブキジャコウソウにはミツバチヘギイタダニを駆除する効果が明らかな結果が得られたと考えている。そのため、来年からは雄巣房の切り取りと、イブキジャコウソウ投与の二通りの方法でミツバチヘギイタダニ駆除を行いたいと考えている。


イブキジャコウソウのダニ駆除効果はどれだけ持続するのか

2021年07月21日 | 日記

最近の話題はイブキジャコウソウ一色になっているが、本日もその話題。今日の結論は「イブキジャコウソウは巣箱に入れてから10日後でもまだダニ駆除効果を持続している」というものである。

昨年、動物用医薬品として承認されているダニ駆除剤A剤が耐性ダニの存在のために全くダニ駆除が出来なかった巣箱が見つかったため、その対応処置として同じくダニ駆除剤として承認されているもう一つの駆除剤アピバールを入れ直すことにしたが、その際イブキジャコウソウの生葉も一緒に巣箱に入れたところ、多数のミツバチヘギイタダニが巣門前に出て死んでいるのを初めて観察することが出来た。しかし、その後滑走路でのダニの死骸は見つからず、処置5日後の内検では巣箱の底にダニの死骸が10匹、動き回るダニが数匹見つかっただけであったことと、巣箱に入れていたイブキジャコウソウに香りが感じられなかったことなどから、当時は生葉で入れたイブキジャコウソウの効果の持続性は短いのではないかと推定していた。詳細は昨年のブログを参照。

ところが本日(イブキジャコウソウ設置10日後)、下の写真のように巣門前に設置している滑走路に20数匹のダニの死骸が出ているのを見つけた。他の蜂群も同様の措置を施しているが、滑走路にはほとんどダニの死骸は観察されず、観察出来ても1~2匹程度であった。

この写真の巣箱は、7月11日にイブキジャコウソウ生葉100gとアピバール3枚を同時に巣箱に入れ、18日に巣箱底に設置した粘着トラップに約750匹の死骸が見つかり、大量のダニが存在していることが明らかになったH群である(前回ブログ参照)。

18日に粘着トラップは回収しているため、脱落したダニは巣箱底でトラップされず、巣門前に出てきて死んだものと思われる。このことからイブキジャコウソウのダニ駆除効果は少なくとも7日~10日程度は持続しているものと考えられる。この効果がいつまで持続するのかを明らかにするのも今後の課題である。

写真 滑走路で死んでいるミツバチヘギイタダニ(あずき色の小さなラクビーボールのような形状)

 


イブキジャコウソウによるダニ駆除効果の確認実験(その2)

2021年07月18日 | 日記

イブキジャコウソウを単独で使用しても、ミツバチの寄生ダニであるミツバチヘギイタダニを駆除する効果のあることについて前回のブログで報告した。今回はこのダニ駆除効果を再度確認すると共に、ダニ駆除剤の一つであるアピバールとの併用による相乗効果についても確認することにした。

実験に供した蜂群は5群で、それぞれの巣箱の様子は表1のとおりである。

なお、「除去雄峰有蓋蜂児」の欄にはこの春から実施してきたダニ駆除対策の一つとして、繁殖のためダニが選択的に侵入する雄峰巣房で蜂児が有蓋(蛹)になった時点で切り取るという処置の実施状況を示した。しかし、「下段針金下(部分切り取り巣枠)」の処置回数は明確な記録を取っておらず、記憶に基づく実施回数を表記したため、若干不確かである。なお、この雄峰有蓋蜂児の除去については、こちらのブログに記載した。

実験は、イブキジャコウソウを単独で入れた巣箱とイブキジャコウソウとアピバールを併用した巣箱の2種類準備した。なお、G群は前回報告のイブキジャコウソウ単独での効果確認をした蜂群であるが、表1ではそれも含めて表示している。各群共アピバールは巣箱に3枚挿入し、イブキジャコウソウは100gの生葉を入れた。なお、イブキジャコウソウは6月から約一ヵ月花を付けるが、その後茂りすぎによる蒸れが原因で枯れ上がるため適度に風通しをよくするための剪定が必要となっており、今回はその剪定を兼ねて切り取ったものを利用した。巣箱の底にはトリカルネットにガムテープを張り付けた粘着トラップを設置した。

昨年実施したイブキジャコウソウとアピバールの併用によるダニ駆除を試みた際、投与開始から約9時間までの間に多数のダニの死骸が巣門前滑走路で確認出来たものの、その後は確認することが出来なかったため、イブキジャコウソウのダニ駆除の効果発現は短時間であると思われたこと、今回試しに実施したG群の実験では21日間粘着トラップを入れていたところ、ガムテープがあちらこちら食い破られていたこと、などから粘着トラップの設置は短期間であった方が望ましいと考え、設置期間は一週間程度とした。

実験の結果を表2に示す。

トラップされたダニの数は、ガムテープ1枚ごとに慎重に数えたが、一部重複や漏れがあると思われること、特に多数のダニが見られたH群のトラップ数は誤差が生じていると思われる。さらに、ガムテープが齧られ破れている個所があること、ガムテープをトリカルネットから剥がす際に一部のダニが脱落してしまったことなどもあり、数が若干少なくなっている可能性もある。

表2から、今回の実験ではトラップ出来たダニの数にはかなりの違いのあることが分る。ダニのトラップ数が他と比べると圧倒的に多いH群は、こまめに雄峰有蓋蜂児を駆除していなかった蜂群である。このことから、逆にH群以外では春から実施してきた雄峰有蓋蜂児切り取りによるダニ駆除効果が得られていたのではないかと考えられる。なお、H群は針金だけを張った巣枠に出来た雄峰有蓋蜂児を巣枠ごと取り除いた4月下旬、切り取り巣板を入れる作業の際、巣箱内に入れる余地がなくついついそのままになっていた蜂群だった。

今回の実験の目的の一つであったイブキジャコウソウとアピバールの併用による効果確認は、今回の実験の範囲では明確にはならなかった。これは、イブキジャコウソウとアピバールを併用したI群は、イブキジャコウソウ単独使用のE群よりもトラップされたダニの数が少ないことからそのように考えられる。原因は、アピバールの使用時期は春と秋が望ましいとされ、そもそも夏場の使用は推奨されていないことからアピバールのダニ駆除効果が十分に発現されていなかったことも考えられる。それよりも実験結果を左右したのは、実験開始時の各群に寄生していたダニの数と考えられる。そのため、本来はシュガーロール法にて予め各群のダニ寄生率を調べておくべきだったが、前回のブログにも記した通り、明らかにダニの寄生が認められた蜂群においてもシュガーロール法によるダニ寄生率はゼロという結果になったため、今回の実験では事前の寄生率調査は行わないことにした。なお、寄生率が何故正しく求められなかったのかについてその後京都産業大学ミツバチ産業科学研究センターの高橋准教授に伺ったところ、①大匙2杯よりも多くの粉砂糖を使い、②ミツバチは場所を変えてサンプリングし3回実施の平均値を求めるのが良い、とのアドバイスを頂いた。今後実施する際には気を付けて調査したいと思う。

なお、ミツバチヘギイタダニは6月中旬頃から増殖を始めるため、夏場のダニ駆除が重要となっているが、先に記したようにアピバールの使用は推奨されておらず、もう一つの動物医薬品として承認されている既存ダニ駆除剤も耐性ダニがいるため使用できるか否かを事前チェックしなければならず面倒であること、また昨年発売された有機系ダニ駆除剤(タチジャコウソウ成分を主成分とする)も気温が30℃以下でないと使用できないことなどから、夏場のダニ駆除に養蜂家は苦労しているところである。そこで、春からの雄峰有蓋蜂児の除去と、イブキジャコウソウを巣箱に入れる方法との併用がダニ駆除に有効ではないかと考えられる。

実験後の粘着トラップの様子を写真1と写真2に示す。いずれの写真もイブキジャコウソウとアピバールを併用した蜂群の粘着トラップである。

写真1 I群(確認出来るダニは6~7匹)

写真2 H群 (多数のダニが確認出来る)

なお、今回各群とも100gのイブキジャコウソウを使用したが、巣箱周りで死蜂が数十匹出た巣箱があること、写真3に示すように巣箱の外にミツバチが多数出ていることなどから、イブキジャコウソウの量が多すぎたということもあるかもしれず、今後は使用するイブキジャコウソウの最適量の検討も必要ではないかと考えている。また、写真4に示すように日当たりが他の蜂群よりも悪い巣箱に入れたイブキジャコウソウにカビが発生していたため、入れるイブキジャコウソウが生であることを考えると注意しておく必要あると思われる。

写真3 巣門前に多数のミツバチが出ている蜂群(粘着トラップ入れていない6枚群)

写真4 カビが発生した様子

今回は実験群のバックグラウンドが一部不明瞭であったり、実験結果の評価が必ずしも十分正確ではないなどの問題点もあるが、大きく括ると次のようなことが明らかになったのではないかと考える。

(1)イブキジャコウソウ単独で用いてもミツバチヘギイタダニ駆除に効果がある。

(2)夏場におけるイブキジャコウソウとアピバールの併用効果は今回の実験の範囲内では明らかではないため、秋などに再試験するなど今後も検討が必要である。

(3)ダニが選択的に繁殖のため入り込む雄峰巣房の有蓋切り取り駆除法とイブキジャコウソウ生葉駆除法を併用するとダニ駆除効果が高まる可能性がある。

(4)ダニ駆除のためのイブキジャコウソウ最適量は今後検討する必要がある。

なお、現在ニホンミツバチを飼育していないため、ニホンミツバチへの利用については検討出来ていないが、今後の検討課題の一つとしてアカリンダニ対策としてニホンミツバチへの利用が考えられる。アカリンダニは小さなダニで気管支内で繁殖することでミツバチを弱らせ、最後は蜂群を崩壊させてしまう恐ろしいダニである。そして、その被害が全国に広がっている。このアカリンダニ駆除にはメンソールクリスタルなどが広く利用されているが、西洋ミツバチのダニ駆除剤も有効とされている。そのため、この西洋ミツバチのダニ駆除に効果のあったイブキジャコウソウがニホンミツバチのアカリンダニ対策として利用できるか否かの検討も必要と考えている。

 

 

 

 

 

 


イブキジャコウソウのミツバチヘギイタダニ駆除効果再確認

2021年07月11日 | 日記

6月21日、ミツバチヘギイタダニ駆除のため切り取った有蓋雄峰巣房の中を調べていたところ、沢山のダニが発生している巣箱を確認した。切り取った有蓋雄峰巣房を割った写真1では8匹が確認出来る。

写真1 切り取った巣房を割ったところ(矢印の先にミツバチヘギイタダニがいる)

 そこで、シュガーロール法によりこの巣箱のダニ寄生率を調べてみた。写真2にはミツバチが約200匹と粉砂糖(おおさじ2杯)が入っており、容器をローリングさせミツバチに粉砂糖を十分にまぶし、1分静置した後、写真3のように容器から粉砂糖を振り出し、その中にいるミツバチヘギイタダニをカウントするという方法である。しかし、やり方が悪かったのか、落ちてきたダニはゼロ。

写真2 シュガーロール用の容器(蓋はメッシュになっている)

写真3 容器をさかさまに振り、容器の蓋のメッシュから砂糖を振り落とす

シュガーロール法では寄生率はゼロということになったが、ミツバチヘギイタダニが存在していることは間違いが無いため、ここでイブキジャコウソウの効果を確かめる実験をすることにした。

 準備したのは、イブキジャコウソウの生葉(100g)を玉ねぎネットに入れたものと、目の細かいトリカルネットにガムテープを張り付けたもの2つ(写真4)。切り取った雄峰巣房からダニの見つかった巣箱は継箱を継いでおり、上下で17枚の巣板が入っている。この巣箱の底にトリカルネットに張り付けたガムテープの接着面が上になるように巣箱の底に敷き、イブキジャコウソウの入った玉ねぎネットは蓋の下に入れた(6月21日)。

写真4 トリカルネットにガムテープを張り付けたものとイブキジャコウソウ生葉

写真5 イブキジャコウソウを入れたところ

 そして、本日(7月11日)この巣箱の底に入れたガムテープを張り付けたトリカルネットを取り出してみた。写真6のように取り出したトリカルネットを通してガムテープ接着面を観察したところではダニはいないように見えた。しかし、ガムテープをトリカルネットから外して観察してみると、多数のダニが接着面にいることが確認出来た(写真7)。勘定してみると、凡そ90~100匹のダニが接着面に付いていることが判った。写真7ではよく分らないので、ガムテープ中央部分を拡大し写真8に示す。

 今回の結果から、イブキジャコウソウ単独で巣箱に入れてもダニ駆除の効果がある程度あることが確認出来たのではないかと考える。この結果を踏まえ、イブキジャコウソウ単独の場合(再試験)、イブキジャコウソウとアピバール併用の場合の効果比較を実施予定である。
 

なお、今年から始めた雄峰巣房の積極的除去法はまだ技術的に充分習得出来ていないため、駆除効果も現在のところ十分ではないことがイブキジャコウソウによる駆除で判った。つまり、春から行ってきた雄峰除去でダニが十分駆除出来ておればこれほどの量のミツバチヘギイタダニがトラップされなかったのではないかと考える。しかし、その一方で雄峰を除去しすぎたためか、産卵を続けていた今年生まれの女王蜂が突然姿を消すということも2度生じた。原因は不明だが、交尾不良で産卵出来なくなったことも考えられ、当然のことながら手あたり次第雄峰を除去していくことにも問題があり、どの程度の雄峰巣房除去をすればいいのかは経験を積んでいくほかは無いのかもしれないと考えている。

写真6 ガムテープを張り付けたトリカルネットを取り出した直後

写真7 トリカルネットから外したガムテープ接着面

写真8 ガムテープ接着面中央部拡大

 

 

 

 

 


イブキジャコウソウの開花

2021年07月11日 | 日記

和のハーブとされるタイムの仲間のイブキジャコウソウがミツバチの大敵ミツバチヘギイタダニの駆除に効果がありそうだということを自分なりに昨年見つけ、昨秋の初め頃から自宅で増殖させてきたが、そのイブキジャコウソウの花が6月中旬頃から咲き始め、ミツバチが訪れるようなった。

 なお、昨年イブキジャコウソウの効果を確認してから、かしまミツバチプロジェクトのビーガーデンから10株程(両掌に乗る程度)自宅に持ち帰り、積極的に挿し木などで増殖させたところ、現在驚くほどよく繁殖しかなりの株数となっている。


今年のダニ対策

2021年07月11日 | 日記

 2010年から趣味としてミツバチの飼育を始めてから11年が経過したが、年々西洋ミツバチに寄生するミツバチヘギイタダニが駆除しにくくなり、ダニによって様々なウィルスが媒介され、そのウィルスの影響でミツバチの翅が縮れたり、巣箱のまわりを徘徊して死んでしまうなどの被害が見過ごせなくなってきている。その上、ミツバチヘギイタダニの駆除剤として承認されている薬剤も耐性ダニの出現により効きにくくなるなど駆除の選択肢が限られてくることになっている。

 昨年、駆除剤として承認されている薬剤「A剤」が全く効果を発揮せず、ダニが大量に発生してしまった蜂群にイブキジャコウソウの生葉と、駆除剤として承認されているもう一つの薬剤「B剤」を同時に巣箱に入れて見たところ、大量のダニが巣箱から這い出して死んでいるのを確認することが出来た。詳細を記したブログはこちら

 一方、2021年はダニ駆除に関してイブキジャコウソウもさることながら、従来と異なる駆除法も試してみようと考えた。その一つが養蜂産業振興会報(No.4 October2020)「蜂児を用いたトラップ式ダニ駆除法-ナイフ1本でミツバチヘギイタダニをコントロールする-(山口冨生)」、付録DVD「蜂児を用いたトラップ式ダニ駆除法」である。これは巣礎を使わず、ミツバチに自由に造巣させると雄峰巣房が沢山出来るため、そこで誕生しようとする雄峰の有蓋巣房を切り取ってしまうという手法である。

ここには、写真1のように巣礎を張らない巣枠を用いて巣枠全体を自由に造巣させる方法と、通常の巣礎を張った巣枠の針金の下部分の巣礎を切り取り、この切り取った部分を自由に造巣させる方法の二通りが紹介されている。いずれも自由に造巣させるとほとんどの部分が雄峰巣房になるので、この巣房で生育している雄峰を有蓋蜂児の時点で取り除いていくというものである。ミツバチの幼虫に寄生して繁殖するミツバチヘギイタダニにとっては、有蓋蜂児期間が働きバチよりも長くなる雄峰に寄生する方が多くの子孫を残せるため、ダニも選択的に繁殖巣房として雄峰巣房を選ぶため、この性質を利用した駆除法である。

 今年は4月初旬に写真1の巣枠を全ての巣箱で1枚挿入し、雄峰有蓋蜂児が出来た時点でこれらを切り取り除去した。この操作を全ての巣箱で1~2回繰り返した。

その後、当然のことながら蜂場全体で雄峰があまり見かけなくなり、新女王蜂更新に支障が出そうだと考え、5月からは巣礎を張った巣板の下段針金の下の巣礎を切り取った巣枠を使った雄峰駆除をするようにし、それ以外に出来た雄峰巣房は除去せず適当に雄峰の誕生も許すようにし、現在もこの処置を継続している。

写真1 針金だけを張った巣枠 

写真2 巣板の下段針金の下部分巣礎を切り取り自由に造巣させた巣板

写真3 写真2の雄峰巣房の切り取り