目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

愛のむきだし ★★★★★

2011-04-01 01:36:52 | ★★★★★
(あらすじ)
幼い頃に母を亡くし、神父の父テツと二人暮しのユウ。理想の女性“マリア”に巡り合うことを夢見ながら、平和な日々を送っていた。しかしテツが妖艶な女サオリに溺れてから生活は一変。やがてサオリがテツのもとを去ると、テツはユウに毎日「懺悔」を強要するようになる。父との繋がりを保つために盗撮という罪作りに没入していくユウ。そんな彼はある日、罰ゲームで女装している最中に、ついに理想の女性ヨーコと巡り合うが……。(goo 映画より)


DVDで鑑賞しました。「冷たい熱帯魚」「自殺サークル」の園子温監督の映画ということで。。。DVDは前後編で2巻編成になっておりまして、映画そのものの時間も4時間程度ある、ということで休日にまとまった時間を確保して相方と腰をすえて鑑賞しました。

いや、本当に既に関係各所では言われまくった後なので、今更私が言うことも特にないのですが、この映画、めちゃめちゃ面白いよ!まだ観てない人はぜひ観て欲しい映画です。

私が冒頭に書いた「あらすじ」だけ見ると変わった映画だなあ、と思うだろうし、このあらすじだってこの映画の全てを全く説明できていないんだけど、この映画は本当に色んな映画の要素がつまりに詰まっているし、エンターテインメントとしてここまで徹している日本の映画って最近はなかったのではないだろうか、と思うわけです。それにしてもタイトルが出てくるところであんなに笑うとは思わなかった。なんせ、タイトルが出てくるまでに45分くらいかかっているんだよ。そこまでの延々とした前振りですら、前振りですらなかったりするわけで。4時間、とさっき書いたけど、正直4時間なんてあっという間に過ぎてしまうような非常な傑作になっていると思います。

それにしてもこの映画は役者が素晴らしい。そして脚本が濃密、そしてカットが素晴らしい。

役者は言わずもがな、主人公の西島くんはAAAの男の子だし、ヨーコを演じるのは満島ひかりだし、でも、この2人が本当にいい味を出しているし、彼らにしか出来ない役を熱演していると感じました。
本当に素晴らしい。西島くんの盗撮アクションは特に素晴らしい。
満島ひかりのアクションもまたかなりイケている。アクションを指導したのがVERSUSの坂口拓とクレジットを見て納得。特に西島くんのコートの感じとか、VERSUSっぽいなあ、って思ってたのよね。

それにしても、この映画はよかった。

冷たい熱帯魚が全くといっていいほど救いのない映画だったので、(自殺サークルも救いはなかったような)正直、鑑賞後、重たい気分になったらどうしようと思っていたのだけど杞憂に終わりましたね。本当に最後の最後のシークエンスは涙なしでは見られませんでした。


この映画の凄いところは本来であればそのシーン単独で見れば笑ってしまうようなばかばかしいカットがそこまでの積み重ねによって感動に昇華していくというところ。勃起するシーンで泣けるなんてこの園子温監督は映画がどうして映画なのかっていうことを本当によく理解しているすごい監督だと脱帽せざるを得ませんでしたね。


とにかく観るのに時間がかかる映画ではありますが、だまされたと思って一度鑑賞することを強く強く強くオススメします!!


最新の画像もっと見る

コメントを投稿