目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

キューティー・ハニー ★★★

2005-01-11 16:25:31 | ★★★
前年失敗気味なアニメの実写化映画のなかでは一番やりたいことは伝わってきたような気がします。

監督は庵野監督で主演はサトエリこと佐藤江梨子。私はあんまりサトエリのことを知らなかったのでなんですが、こういう映画では女優の演技力がどうとか言えないプロットなので諦めて観ると面白いですね。特に変身前の彼女には親しみを持てます。変身後がやけにやかましいのが気になったのですが、ほかにもツッコミを始めるとキリがないのでやめときます。
キャラ立ちした個性的な脇を固める俳優が面白いくらいキャラに入り込んだ演技なのでかなり滑稽です。見応えもある意味あります。この映画、アニメを観ている感覚に非常に近くて、実写化の方法論としては「キャシャーン」よりは断然高く評価出来ます。(まあ、あの映画はあの映画で評価に値する部分はありますが…)
それというのも「ハニメーション」なる画期的な見せ方のおかげですが、実写をアニメのように止め絵を流す手法で見せるのです。これは一応成功してますね。「誰も観たことがない」映像でしたから。変にワイヤーアクションで無理して「マトリックス」の真似するよりも日本でしか出来ないであろう映像を作り出してそれで勝負するという姿勢は高く評価すべきだと思います。もっと見せて欲しかったですが…。
いかんせん題材としたアニメ(永井豪原作)があまりにケレン味たっぷりで普通の男は寄せ付けない雰囲気なので男性はDVDを借りにくいと思います(笑)ただ、ではアニメのように女の子が見るような話かというと微妙なところ…アニオタ対象なのか、とは思います。サービスシーンもたっぷりですし。(ただサトエリがあんまりいやらしさがないので刺激的な衣裳を着ていても全然いやらしくないんですが…。)
展開は最初の10分でグッと引き込まれた方は最後までダレずに見終えることが出来ると思います。独特の世界観についていけなければ残りの時間は単なる苦痛でしかないと思いますが…(笑)
邦画のなかでは評価出来る方だと思います。エンタメに徹していて半分くらいは成功しているという点で。

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2 コメント

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デビルマとは似て非なるもの (美濃守@goo)
2005-02-16 15:30:26
 現在のアニメは、芸術性やら技術性やらうるさい分野になってしまっているような気がします。一億総中流みたく、大衆的なものが高尚な方向にいっている状況です。(大衆文化であった落語や歌舞伎がそうして没落あるいは雅なものになってしまったのと同形)

 そのために70~80年代のアニメにあったよい意味での安っぽさが廃れてしまったので、この『キューティーハニー』は実写によって却って往年のアニメ臭さがよく出せているんではないでしょうか。

 制作側のねらいが見事に成功していると思いました。



 これと逆方向なのが『デビルマン』。もしかしたら意図的に失敗?させているのかもしれませんが、どうにもひどい気がしてしまいました。



 同じ永井豪原作のなのに、面白いくらいに映画化の方向性の違いが出ていると思います。
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Unknown (kiki@管理人)
2005-02-18 16:15:39
>美濃守@gooさん

アニメはかなり二極分化が進んでいてしょうもない子ども向けが更に劣化してしまったモノとオトナにすらわからない複雑な世界観を持ったモノとに分かれているような気がしないでもないです。キューティーハニーは非常に安っぽい世界観を突拍子も無い映像で実現させているところがとても魅力的でしたね。私はまだ「デビルマン」は未見ですが、とてもひどかったそうで・・アニメ版デビルマンを忠実に再現したほうが多分ヒットしたような気がします。(笑)
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