目指せ!映画批評家

時たまネタバレしながら、メジャーな作品からマイナーな作品まで色んな映画を色んな視点で楽しむ力を育みます★

ニューオーリンズ・トライアル ★★★★

2005-01-12 21:56:19 | ★★★★
ダスティン・ホフマンとジーン・ハックマンの名演に拍手喝采!
ということで、良質の法廷サスペンスの登場です。法廷モノはあんまり観たことがなかったのでこれからはガンガン観ていこうという気にさせる名作です。
法廷サスペンスと言うと弁護士と検事の激しい舌戦が見所なわけですが、今作はちょっと違って出てくるのは陪審コンサルタントという聞いたことない職業。弁護士なんかも出てきますし、見所はいくつもありますがこの陪審コンサルタントの描写がとても興味深いです。陪審員制度がまだない日本ではピンと来ないかもしれませんが、この話はこの先の日本でも評価されるようになる話かもしれません。(訴訟文化の薄い日本人にはまだまだ縁遠い話でしょうが…)陪審コンサルタントという職業は訴訟大国アメリカでは30年の歴史を持つ実在の職であり、この作品で描かれるようなハイテクを駆使した陪審員候補者から自陣営に有利な陪審を選定するということは実際にも行われているそうです。この陪審員選定が訴訟に於いて弁護士以上に力を発揮するのですからそういった意味では日本においても将来的にはお目見えしそうな職ではあります。
構図としては原告側が殺人につかわれた銃の銃器メーカーを訴え、メーカー側が陪審コンサルタントを雇う、という構図で原告側の弁護士と陪審コンサルタントのレストルームでのやり取りはとても見応えある演技の迫力に緊張感が溢れます。ジーン・ハックマンがかっこよすぎます。たまりません!
この構図に更に第三勢力として陰謀を持つ陪審員が絡み、展開の先を読ませません。訴訟モノには勧善懲悪など存在しませんからどういったラストを迎えるのか予想もつきませんが、ラストまで一気に、謎は引っ張ったまま気持ち良く展開します。導入からラストまであっと言う間に終わりますから、好印象でした。とにかくプロットの魅力と俳優陣の上手さ、脚本の良さ、演出のテンポの良さによりとても質の高い見応えあるサスペンスになりました。個人的にはかなりの高評価です。なにげにアメリカの銃社会に対しての警鐘も鳴らしていて社会派、政治派、国際派にもぴったりですね。憲法修正2条の問題を始めとしてアメリカには様々な問題があるのでそれを知るきっかけにもなります。
こういった映画がもっと評価され日本でもっとヒットしていけばいいのですが…。

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