Light in June

文学やアニメ、毎日の生活についての日記。

午後の恐竜

2011-02-05 22:46:41 | アニメーション
メディア芸術祭で短編アニメーションを見てきたのですが、目玉は何と言ってもこれです。

加藤隆『午後の恐竜』(星新一原作)。

いいとは聞いていたのですが、ここまでとは。アニメーション云々というよりは、原作がいい。これほどの想像力、天才的ですね。もちろん、映像もすばらしかったのですが、何よりも作品の構想と想像力に打ちのめされました。

NHKで放映されていたショートショートの一つなのですが、やはりNHKはアニメーションに関してすごいものを持ってくるなあ。いやまあそれはいいとして、『午後の恐竜』がどういう話なのかというと(以下ネタバレしまくり)・・・

ある男性が目を覚ますと、街に恐竜がいるわけです。でもその恐竜たちは手で触れることはできなくて、立体映像のように、ただ目に見えるだけ。妻の話では、朝からこういう状況らしい。そしてテレビはこの現象が地球規模で起こっていることを伝えている。テレビのある解説者は、猛烈なスピードで時代が経過していることを語っています。その言葉を裏付けるように、やがて恐竜の時代は終わり、始祖鳥が現われ、哺乳類が姿を見せ、やがて人類が誕生します。その頃、核兵器が消息を絶ったという話が挿入されます。男性は、この急速な時代の経過を目の当たりにして、全てを悟ります。ああそうか、そういうことなのか、と。人間が最期のときに走馬灯を見るように、この眼前の光景は、地球の見る走馬灯なのだ。これは、地球の記憶なのだ。家族と共にその地球の歴史を見守る男性の前に、一人の少年が現われ、やがて彼は大人に成長してゆきます。子どもは無邪気に父親に尋ねます。時代が経過しているっていうことは、もうすぐ未来が見えるの?・・・父は子と妻を抱き、地球の走馬灯の終わるとき、すなわち地球の最期のときを、三人で迎えるのでした・・・

この詩情と恐ろしいほど豊かな想像力。この作品を見たとき、このプログラムにはもうこれ以上の作品はないだろうな、と思いました。そして実際そうでした。この作品より前にこれ以上の作品はなかったし、この作品より後にもこれ以上の作品はありませんでした。ぼくにとっては、この『午後の恐竜』が今年の短編プログラムのベストです。ダントツで。とにかくすばらしかった。この作品と出会うために、ぼくはこれまでメディア芸術祭に通っていたんだと思う。

論文集ができあがったのだけれど

2011-02-05 01:16:58 | お仕事・勉強など
で、論文集を一冊に、抜き刷りなるものを20冊もらいました。抜き刷りというのは、論文集に掲載された自分の論文だけが簡易製本された冊子のことです。なんのことだかよく分からなかったのですが、こういうことか。20部ありますと言われて、そんなにもらってもしょうがないなあとは思いましたが、断るわけにもいかないので、とりあえず頂きました。

で、この抜き刷りなるもの、一体どうすればよいのでしょう。20部もあるということは、誰かにあげるものなのでしょうか。でも、誰に?まさか親戚中に配るわけにはいかないし、友人にあげるにしても、そんなに大勢がもらってくれるわけではないでしょう。20部もどうすりゃいいんですかね。

薄っぺらいので、20部とはいえそんなに大変な物量ではないのですが、自宅に同じものがそんなにたくさんあってもなあ。

誰かもらってくれる人いませんかねえ。しかし、論文集という本ではなく、あくまでぼくの論文だけが製本された冊子なんですけどね。そんな奇特な方はいらっしゃるでしょうか・・・。それにしても、自分の論文を宣伝したりするのは恥ずかしいなあ。