一身二生 「65年の人生と、これからの20年の人生をべつの形で生きてみたい。」

「一身にして二生を経るが如く、一人にして両身あるが如し」

祇園祭

2016年07月25日 | 社会

祇園祭(ぎおんまつり)は、京都市東山区八坂神社(祇園社)の祭礼で、明治までは「祇園御霊会(御霊会)」と呼ばれた。貞観年間(9世紀)より続く。京都の夏の風物詩で、7月1日から1か月間にわたって行われる長い祭である。

祭行事は八坂神社が主催するものと、山鉾町が主催するものに大別される。一般的には山鉾町が主催する行事が「祇園祭」と認識されることが多く、その中の山鉾行事だけが重要無形民俗文化財に指定されている。山鉾町が主催する諸行事の中でもハイライトとなる山鉾行事は、山鉾が設置される時期により前祭(さきまつり)と後祭(あとまつり)の2つに分けられる。山鉾行事は「宵山」(よいやま、前夜祭の意。前祭:7月14日16日・後祭:7月21日23日)、「山鉾巡行」(前祭:7月17日・後祭:7月24日)が著名である。八坂神社主催の神事は「神輿渡御」(神幸:7月17日・還幸:7月24日)や神輿洗(7月10日7月28日)などが著名で、「花傘連合会」が主催する花傘巡行(7月24日)も八坂神社側の行事といえる。

宵山、宵々山、宵々々山には旧家や老舗にて伝来の屏風などの宝物の披露も行われるため、屏風祭の異名がある。また、山鉾巡行ではさまざまな美術工芸品で装飾された重要有形民俗文化財の山鉾が公道を巡るため、「動く美術館」とも例えられる。

祇園祭は数々の三大祭のひとつに挙げられる。京都三大祭(他は上賀茂神社下鴨神社葵祭平安神宮時代祭)、日本三大祭(他は大阪の天神祭、東京の山王祭神田祭)、日本三大曳山祭(他は岐阜県高山市高山祭埼玉県秩父市秩父夜祭)、日本三大美祭(他は前述の高山祭と秩父夜祭)のうちの一つであり、日本を代表する祭りである。


第155回芥川賞 村田沙耶香 「コンビニ人間」

2016年07月24日 | 芥川賞

第155回芥川龍之介賞(以下、芥川賞)と直木三十五賞(以下、直木賞)が19日、発表され、芥川賞は村田沙耶香(むらた・さやか)さんの「コンビニ人間」(文學界6月号)、直木賞は荻原浩(おぎわら・ひろし)さんの「海の見える理髪店」(集英社)が受賞した。

 荻原さんは、1956年6月30日生まれ、埼玉県出身。成城大学経済学部卒業。広告制作会社勤務、フリーのコピーライターを経て、97年「オロロ畑でつかまえて」で第10回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。2004年刊「明日の記憶」で第18回山本周五郎賞受賞。05年刊「あの日にドライブ」で第134回直木賞候補。06年刊「四度目の氷河期」で第136回直木賞候補。08年刊「愛しの座敷わらし」で第139回直木賞候補。10年刊「砂の王国」で第144回直木賞候補。14年刊「二千七百の夏と冬」で第5回山田風太郎賞受賞。直木賞候補は今回が5度目。

 村田さんは、1979年8月14日生まれ、千葉県出身。玉川大学文学部芸術文化コース卒。2003年「授乳」で第46回群像新人文学賞優秀作を受賞してデビュー。08年に出版した「ギンイロノウタ」で第31回野間文芸新人賞、12年刊の「しろいろの街の、その骨の体温の」で第26回三島由紀夫賞を受賞。芥川賞は初ノミネート。 

 

第155回2016年上半期)

  • 受賞
    • 村田沙耶香 「コンビニ人間」(『文學界』2016年6月号)(初)
  • 候補:
    • 今村夏子 「あひる」(『たべるのがおそい』vol.1)(初)
    • 高橋弘希 「短冊流し」 (『新潮』2016年1月号)(3)
    • 崔実 「ジニのパズル」 (『群像』2016年6月号、群像新人文学賞受賞作)(初)
    • 山崎ナオコーラ 「美しい距離」(『文學界』2016年3月号)(5)
  • 備考
    • 村田はこの受賞で、四人目の野間文芸新人賞・三島由紀夫賞・芥川賞の主要新人賞三冠を達成。
    • 今村夏子の候補作掲載誌は福岡の出版社・書肆侃侃房の発行で、地方文芸誌からの候補は第121回の玄月「おっぱい」以来17年ぶり。

第154回芥川賞 滝口悠生 「死んでいない者」/ 本谷有希子 「異類婚姻譚」

2016年07月23日 | 芥川賞

第154回芥川賞・直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が19日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は滝口悠生さん(33)の「死んでいない者」(文学界12月号)と本谷有希子さん(36)の「異類婚姻譚」(群像11月号)に、直木賞は青山文平さん(67)の「つまをめとらば」(文芸春秋)に決まった。

 2度目の候補で芥川賞に輝いた滝口さんは平成23年にデビュー。受賞作は、亡くなった故人の通夜と葬儀に集まった、3世代に渡る親族らの行動や記憶の断片を重層的に描く。本谷さんは石川県生まれ。劇作家、演出家としても活躍し、小説では大江健三郎賞、三島由紀夫賞などを受けている。受賞作は、自分と夫の顔が似てきたことに戸惑う主婦の奇妙でユーモラスな日常を通して、他人同士が一緒になる「夫婦」という制度への違和感を描く。

 

第154回2015年下半期)

  • 受賞:
    • 滝口悠生 「死んでいない者」 (『文學界』2015年12月号)(2)
    • 本谷有希子 「異類婚姻譚」(『群像』2015年11月号)(4)
  • 候補:
    • 石田千 「家へ」(『群像』2015年7月号)(3)
    • 上田岳弘 「異郷の友人」 (『新潮』2015年12月号)(2)
    • 加藤秀行 「シェア」 (『文學界』2015年10月号)(初)
    • 松波太郎 「ホモサピエンスの瞬間」(『文學界』2015年10月号)(3)
  • 備考:本谷はこの受賞で、三人目の野間文芸新人賞・三島由紀夫賞・芥川賞の主要新人賞三冠を達成。

選考委員:宮本輝、村上龍、高樹のぶ子、山田詠美、小川洋子、川上弘美、島田雅彦、奥泉光、堀江敏幸


第153回芥川賞 羽田圭介 「スクラップ・アンド・ビルド」/又吉直樹 「火花」

2016年07月22日 | 芥川賞

本文学振興会は16日、『第153回芥川賞・直木賞(平成27年度上半期)』の選考会を東京・築地「新喜楽」で開き、芥川龍之介賞にお笑いコンビ・ピース又吉直樹の『火花』(文藝春秋)と羽田圭介氏の『スクラップ・アンド・ビルド』(文學界3月号)、直木三十五賞に東山彰良氏の『流』(講談社)を選出した。

 又吉は1980年6月大阪生まれ。2003年に綾部祐二とピースを結成。2009年に自由律俳句集『カキフライが無いなら来なかった』(せきしろとの共著/幻冬舎)を出版。芥川賞は初ノミネートで選出された。

 羽田氏は1985年10月東京都生まれ。明治大学商学部卒業。2003年『黒冷水』で第40回文藝賞を受賞。単行本は同年に河出書房新社より刊行。著書は06年『不思議の国のペニス』(河出書房新社)、14年『メタモルフォシス』(新潮社)など。

 東山氏は1968年9月台湾台北市生まれ。2002年『タード・オン・ザ・ラン』で第1回「このミステリーがすごい!」大賞銀賞・読者賞を受賞。翌年、本作品を改題した『逃亡作法TURD ON THE RUN』でデビュー。08年『路傍』(集英社)で第11回大藪春彦賞受賞。13年『ブラックライダー』(新潮社)で第67回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補。

 芥川賞・直木賞は昭和10年に制定。芥川賞は新聞・雑誌に発表された純文学短編作品、直木賞は新聞・雑誌、単行本で発表された短篇および長編の大衆文学作品を対象に優秀作を選定する。

第153回2015年上半期)

  • 受賞:
    • 羽田圭介 「スクラップ・アンド・ビルド」(『文學界』2015年3月号)(4)
    • 又吉直樹火花(『文學界』2015年2月号)(初)
  • 候補:
    • 内村薫風 「ΜとΣ」(『新潮』2015年3月号)(初)
    • 島本理生 「夏の裁断」 (『文學界』2015年6月号)(4)
    • 高橋弘希 「朝顔の日」 (『新潮』2015年6月号)(2)
    • 滝口悠生 「ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス」 (『新潮』2015年5月号)(初)
  • 備考:お笑い芸人でもある又吉直樹の『火花』は受賞前から大きな話題となり、累計250万部を突破。芥川賞史上最大のベストセラーとなった。

選考委員:宮本輝、村上龍、高樹のぶ子、山田詠美、小川洋子、川上弘美、島田雅彦、奥泉光、堀江敏幸


第152回芥川賞 小野正嗣 「九年前の祈り」

2016年07月21日 | 芥川賞

 第152回(平成26年度下半期・今年1月15日発表)は、小野正嗣氏の『九年前の祈り』が芥川賞、西加奈子氏の『サラバ!』が直木賞を受賞している。

第152回2014年下半期)

  • 受賞:
    • 小野正嗣 「九年前の祈り」(『群像』2014年9月号)(4)
  • 候補:
    • 上田岳弘 「惑星」(『新潮』2014年8月号)(初)
    • 小谷野敦 「ヌエのいた家」 (『文學界』2014年9月号)(2)
    • 高尾長良 「影媛」 (『新潮』2014年12月号)(2)
    • 高橋弘希 「指の骨」 (『新潮』2014年11月号、新潮新人賞受賞作)(初)

選考委員:宮本輝、村上龍、高樹のぶ子、山田詠美、小川洋子、川上弘美、島田雅彦、奥泉光、堀江敏幸

 


第151回芥川賞 柴崎友香 「春の庭」

2016年07月20日 | 芥川賞

第151回2014年上半期)

  • 受賞:
    • 柴崎友香 「春の庭」(『文學界』2014年6月号)(4)
  • 候補:
    • 戌井昭人 「どろにやいと」(『群像』2014年1月号)(5)
    • 小林エリカ 「マダム・キュリーと朝食を」(『すばる』2014年4月号)(初)
    • 羽田圭介 「メタモルフォシス」 (『新潮』2014年6月号)(3)
    • 横山悠太 「吾輩ハ猫ニナル」 (『群像』2014年6月号、群像新人文学賞受賞作)(初)

選考委員:宮本輝、村上龍、高樹のぶ子、山田詠美、小川洋子、川上弘美、島田雅彦、奥泉光、堀江敏幸



第150回芥川賞 小山田浩子 「穴」

2016年07月19日 | 芥川賞

第150回2013年下半期)

選考委員:宮本輝、村上龍、高樹のぶ子、山田詠美、小川洋子、川上弘美、島田雅彦、奥泉光、堀江敏幸


U2

2016年07月18日 | 音楽

デビューからオリジナルメンバーの変更なく活動しているバンドで、これまでに発表した作品は世界中のファンから支持されており数多くの賞を受賞している。中でもグラミー賞獲得数22作品は“ロックバンド史上最多”となっている。2005年には「ロックの殿堂」入りもしている。

世界に渦巻く社会問題を楽曲のテーマとしている。宗教紛争反核運動アパルトヘイトなどの人権問題、薬物依存症などについてメッセージ性の強い曲を発表、チャリティー・イベントにも積極的に参加している。特に、メンバーの中でボノはアフリカの貧困救済やアムネスティ・インターナショナルジュビリー2000ONE Campaignなどの慈善事業に深く関わっており、2006年にはアフリカの後天性免疫不全症候群(AIDS)対策プログラム支援ブランド「RED」を設立している。

また、コンサートの規模や動員数でも話題となるバンドであり、『Vertigo Tour』は2005年のコンサート収益1位を記録。『U2 360° Tour』は、2011年のコンサート収益1位を記録し、“歴史上最も成功したツアー”として認定されている。米経済誌フォーブス誌が2011年6月に発表した「世界中で最も稼いでいるミュージシャン」では、1億9,500万ドル(日本円に換算すると約156億円)になり第1位とされた。

「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100組のアーティスト」において第22位にランクインしている。

トータルセールスは、1億7,000万枚超と言われている。


U2 1990-2000

2016年07月17日 | 音楽

ベーシックなロックスタイルをさらに追求しつつ、エレクトロニックサウンドやダンス&テクノビートも取り入れた革新的なサウンド、ざん新な映像、ストーリー性のある巨大ツアー、圧倒的なカリスマ性と、ロックの可能性を最大限に引き出した1990年代のU2。このベストアルバムは、絶頂期を迎えるに至ったU2の「チャレンジ」が凝縮された1枚だ。
   DISC1には、第43回グラミー賞最優秀楽曲賞、最優秀レコード賞に輝いた大ヒット曲DISC1などのヒットチューンはもちろん、オリジナルアルバム未収録のDISC1(映画『バットマン・フォーエヴァー』主題歌)、さらに、幻想的なエレクトリカルサウンドをバックに、ボノの歌声が力強く広がるDISC1(ウィリアム・オービットがプロデュース)やDISC1といった新曲も収録されている。(速藤年正)


U2 1980-1990

2016年07月16日 | 音楽

   本作の最初の音、つまり「Pride (In the Name of Love)」のイントロで鳴り響くエッジのギターを耳にするなり、1984年の記憶が鮮やかによみがえる。その年、西欧社会ではロナルド・レーガンとマーガレット・サッチャーが幅を利かせ、スポーツニュースではロサンゼルス・オリンピックがトップを飾り、ゲームセンターではミス・パックマンが大流行していた。 そしてロックンロールの世界では、U2がニューアルバムとそのツアーで著しい成長を見せていた。このアイルランドの若者たちに懐疑的だった者でさえ、彼らが80年代を代表するバンドになったことを認めざるをえなかった。期待のしぼみつつあった80年代のロック界にあって、バンドにはすでに、かつてロックが誇っていたラジオエアプレイ数とステージワークを継承するスケール感と技量が備わっていた。この80年代のベスト選曲の15曲(最後に隠しトラックが用意されている)では、ボーカルのボノと仲間たちが聖歌隊のごとき繊細さと情熱をみなぎらせていた1980年の「I Will Follow」に始まり、最大の汚点である1988年の仰々しい『Rattle and Hum』におよぶバンドの軌跡を追っている。(Steven Stolder, Amazon.com)


白線流し

2016年07月15日 | 社会

大正時代、岐阜県高山市の旧制斐太(ひだ)中学校で、授業をボイコットして退学処分になった退学生たちが、学校を去るとき学帽を川に投げ捨てたのが変化し、1930年代後半、卒業式のあとに卒業生が学帽の白線を川に流したのが始まり。当初は一部の卒業生が三々五々、個々に白線を流していたが、やがて友人どうし白線を結んで流すようになった。戦後、生徒会主催の『白線流し』の行事となり、斐太高校で続いている。

旧制中学時代は男子生徒だけだったので、学生帽の白線を流したが、新制高校になり男女共学になって以後、セーラー服のスカーフが加わった。川を挟んで、校舎側に並んだ在校生が『送別歌』を歌い、対岸に並んだ卒業生が『巴城ヶ丘(はじょうがおか)別離の歌』を歌いながら、一本につないだ白線と白スカーフを流す。以前は、流した白線は下流で回収して乾かし、ボランティア団体に譲渡していたが、近年それはなくなり、乾燥させた上処分される。

『白線流し』の時に歌われる『送別歌』と『巴城ヶ丘別離の歌』は、ともに斐太高校のオリジナルソングである。『送別歌』は1960年に作られたものだが、『巴城ヶ丘別離の歌』は、太平洋戦争末期、戦地に赴く学友への惜別歌として旧制斐太中学の生徒によって作られたもので、白線流しの時に真意を伏せて歌われ、以後、白線流しの歌として、今も歌い継がれている。なお、新制高校になってからは、前口上と歌詞中の「斐中」が「斐高」に、「四年」が「三年」に、「四星霜」が「三星霜」に修正されて歌われている。


喧騒の街、静かな海

2016年07月14日 | テレビ番組

大阪の夜の街角で、初老の男がJKビジネスの少女たちに話しかける。
行き場のない子どもたちの受け皿になろうと声かけのボランティアを続ける彼は、少女たちから“地回り先生”と呼ばれる精神科医だ。その“地回り先生”に近づき、「あなたの活動を取材させてほしい」と言う若いカメラマン。
彼は、実は精神科医の息子である。幼いころに別れた父に、素性を隠して接近してきたのだ。
父子の関係は崩れていた。三十年前に家族がバラバラになった後、残された精神科医の妻は誰にもみとられず亡くなった。大阪での三十年ぶりの父子の再会は、父にとっては亡き妻、息子にとっては亡き母へのしょく罪の旅の始まりでもあった。行き場のない孤独を抱えるひとりの少女と向き合いながら、父子は自分たちの人生を生き直そうとする…。

父子の人生の再建は果たされるのか? 少女は未来に向けて歩き出すことが出来るのか? 
現代をみずみずしく切り取りつつ、主人公たちの前向きな明日を予感させるドラマをお届けします。


あすなろ白書 1993

2016年07月13日 | テレビ番組

『あすなろ白書』(あすなろはくしょ)は、柴門ふみによる日本漫画小学館の雑誌『ビッグコミックスピリッツ』に1992年から1993年にかけて連載された。1992年、第37回小学館漫画賞受賞。

1993年にテレビドラマ化され、また、2002年には台湾でもテレビドラマ化された。

女子大生・なるみを中心にした男女5人を描いた作品。なるみと保の結ばれては離れる恋愛模様を縦糸に、2人を取り巻く恋や友情が横糸として絡まり合い、『あすなろ会』というサークルを通じ、恋愛と友情の狭間で、20歳の日々の苦悩や喜び、時間の経過の重さや大切さ等の、若さの証の全てを描いた青春群像劇。

保はこの『あすなろ会』 を園田なるみのフルネーム(アナグラム。SONODA NARUMI -> ASUNARO MIND)から思い浮かんだという。樹木の翌檜(あすなろ)とは全く関係ない。


戦争の社会学

2016年07月11日 | 政治

「そうか、平和とは、別の手段による戦争の継続なのか。目から鱗が落ちる一冊。」
姜尚中氏(東京大学名誉教授)、推薦!

本書が言っていることは、とてもシンプルだ。
人類はこれまで、戦争とともに歩んできた。戦争を克服し、平和に生きる希望をもつためにも、戦争の知識は必要だ。戦争を、社会のなかのノーマルな出来事として、みつめよう。それを、普遍的な(=誰の耳にも届く)言葉で語ろう。 そう、「戦争の社会学」を身につけよう。
戦後の日本は、これを怠ってきた。だからこの本は、戦争からずっと目を背けてきた、でもそれをどこかでマズイと直感している、多くの日本人のためにまず、書かれている。そして同時に、この世界を守るため最後の手段として戦争を辞さないが、しかし戦争を防ぐためにあらゆる努力を惜しまない世界のすべての人びとのためにも、書かれている。(本文より)

橋爪流に読み解く"戦争で見る世界史""戦争で見る地政学"――。
「戦争反対」と叫ぶ前に、まず戦争を学ぼう。日本人必読の一冊!

◎目次◎
はじめに
序章 戦争とはなにか
第二章 古代の戦争
第三章 中世の戦争
第四章 火薬革命
第五章 グロチウスと国際法
第六章 クラウゼヴィッツの戦争論
第七章 マハンの海戦論
第八章 モルトケと参謀本部
第九章 第一次世界大戦とリデル・ハート
第十章 第二次世界大戦と核兵器
第十一章 奇妙な日本軍
第十二章 テロと未来の戦争
あとがき

◎プロフィール◎
橋爪大三郎(はしづめだいさぶろう)
社会学者。
東京工業大学名誉教授。
一九四八年神奈川県生まれ。一九七七年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。一九九五年~二〇一三年、東京工業大学教授。東京工業大学世界文明センター副センター長などを務めた。
『世界は宗教で動いてる』『教養としての聖書』(以上、光文社新書)、『はじめての構造主義』『ふしぎなキリスト教』(大澤真幸との共著)(以上、講談社現代新書)、『日本逆植民地計画』(小学館)、『橋爪大三郎の社会学講義』 (ちくま学芸文庫)、『天皇の戦争責任』(加藤典洋、竹田青嗣との共著)(径書房)など著書多数。