渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ナイフの謎

2020年11月07日 | open


一つ、ナイフの法量について理解が及ば
ない事がある。
それは、ナイフの身幅だ。
アメリカンシースナイフに限って、非常に
幅広い寸法出しをしていることが共通して
いるのだ。
これはもう全くアメリカンシースナイフ
のみが。


他の国のナイフは、ククリなどの特殊な
例を除いて、ドイツはゾーリンゲンの伝統
ナイフであろうと、フランスのナイフで
あろうと、北欧ナイフであろうと、日本の
小刀などの伝統ナイフであろうと、刀で
あろうと身幅はアメリカンシースナイフ
程には幅広ではない。
日本刀の刀は時代により多少身幅と長さ
に変化が見られたが、概ね刀身の身幅は
一寸強が基準であり、それが刀の規矩と
なっている。

北欧ナイフはプーッコにしろレウクにし
ろ身幅は狭く、刀身形状も日本刀に似て
いる。


私はナイフ遣いではあるが、ナイフに
ついては日本刀のように系統だてて勉強
していないので、専門家ではない。
ナイフそのものには、私は日本刀程詳し
くはない。日本刀のことはほんの少しだけ
知っている。

あくまで推測なのだが、アメリカンシース
ナイフは、ボウイナイフのような物から
派生して、武器としてだけでなく、日本
でいうところの鉈のような役目もナイフ
に持たせる歴史があったのではなかろう
か。
チョッピングの為に、堅牢性を付与させる
為に身幅を広く厚くしたのではないだろう
か。
ドイツを始めヨーロッパのナイフが細身で
あるのは、短剣からの派生で系譜が形成
されたためではなかろうか。
現代アメリカンナイフは、老舗のランドー
ルにしろ新鋭のバークリバーにしろ、総じ
て身幅がかなり広い。日本刀でいうところ
のダンビラを通り越す幅広だ。

ネットで英文で「アウトドア ナイフ」や
「キャンプ ナイフ」で画像検索してみる
と、やたらめったら幅広いシースナイフ
ばかりがキャンピングナイフとして出て
くる。
多分、北米大陸では、鉈としてのナイフ
の使用法が歴史の中で根付いているから、
日本の剣鉈のような形状のナイフが一般
的になったのではなかろうか。

名門バックにしても、バンガードなどは
身幅がかなり広い。


私個人としては、これくらいの身幅の
ナイフが全方位的には使いやすい。
汎用ナイフとするならば、あまり身幅が
広い物は使い勝手が悪い場面が多く出て
くることを経験値として知っているから
だ。


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