goo blog サービス終了のお知らせ 

渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

良質材の見分け方

2023年02月06日 | open
 


良質なハードロックメープルの
 
シャフト材の見分け方。
それは、日本刀にびっしりと鱗
のようについた地錵(にえ)が
杢目の地肌に浮かんだような
を持つ個体が良質であるという
事。
 
角度を変えてみる。
お分かりになるだろうか。
長曾祢虎徹興里のような肌である
事が。


シャフト中央部。
 
こうした年輪とは別の杢肌を持つ
ハードロックメープル材は総じて
良質で、音も甲高い透き通る音が
する。
そして、シャフトとして抜群の動
きを見せる。
これは、私の37年の経験から統計
的にこの所見は妥当性を欠い
ていないと思う
シャフト材の良否は年輪の数など
は関係ない。年輪数でAAAクラス
かどうか材料の優劣選別をするな
どは実の無い事だ。
 
だが、私が説明するこの見分け法
には決定的な欠点がある。
クリア塗装して光の反射の角度を
変えて目視しないと、この重層的
な模様は明瞭には浮かび上がらな
いのだ。
この模様があるか無いかは、樹木
の育った環境如何によって出て来
る木の本当の地肌なのだが、製材
後の材木の段階ではよく見えない。
また、材木を木材として加工中も
まるで白木のようになるのでよく
見えない。
見える事は見える。専門的な見観
の眼を持つ人が鑑識すれば。
だが、殆どの人は見えない。
日本刀の地鉄(ぢがね)を見切る人
には容易だろう。重層的に重なる
杢の本当の姿を白木の段階で見抜
くだろう。
 
材料段階で一番簡単な見分け方は
縦方向に叩いて音の質を聴
分け
る方法だ。
高音であればある程、木材の密度
が高い事を示す。年輪数は一切関
係ない。
高音の音がする材程、質性が良質
で製品化した後も良性性能を出す。
これは確実だ。
ゴンゴンよりガンガン、ガンガン
よりコンコン、コンコンよりカン
カン、カンカンよりキンキン。
木材の音程により密度が判る。
 
そして、製品化してクリアを吹け
ば、その透明なニスによって透過
する光が真の杢目肌を浮かび上が
らせる。コンマミリ角度を変える
だけで複雑な肌を現認できるよう
になる。
その時に初めて誰でも目視での識
別が容易になる。
見える人は木材段階から凝視して
見抜く事ができる。
 
良材とは、自分で良性である事を
知らしめているのだ。物理的な現
出態様によって。
 

この記事についてブログを書く
« 新藤五国光 | トップ | メープル »