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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

大江戸捜査網(1970〜)と時代劇の謎

2023年02月14日 | open


江戸の難事件を解決する隠密同心。
十文字小弥太。

同じく、伝法寺隼人。


同じく、左文字右京。


武器が近代化されている。
戊辰戦争で東軍=幕府側も使用し
たガトリングガンだ。


こちらは、レミントンネービー。
ソリッドフレームの頑丈なやつ。
信頼性が高く、コルト1851より
いいやつ。



これ、実銃古式銃を使用しての
撮影と思われる。

ほんでもな、なんでやねん。
ガトリングガンは1861年に発明
された。
レミントンネービーは1858年。
幕末戊辰戦争の時には日本でも
どちらも使われたが、隠密同心
を支配してるのは松平定信やで(笑
1700年代の人。
なんつー設定なのだ。
まあ、時代劇てのは、それを言っ
ちゃあおしめえよ、てなのばかり
なのだが。暴れん坊将軍なんて
しでえもんだ。

レミントン・ネービー実銃。
長いがスリム。口径が.44になっ
てからはシリンダーが太くなっ
たが、元々はコルト1851と同じ
くスリム。


戊辰戦争までに日本国内に輸入
されていた銃ならば、登録証が
あれば古式銃として誰でも持て
る。国内には膨大な数のリボル
バーと小銃がアメリカとフラン
スから輸入されていた。それに
より幕末の日本の天下分け目の
歴史的な最大内戦が展開された。
それらの残存銃器は実銃だが、
現在でも所有する事ができる。
雷管と黒色火薬があれば発砲
可能なので、銃器の役目は終了
ていないのだが、戊辰戦争ま
の銃器で当時国内に存在した
は合法的に所有できる。
日本刀と同じ。
日本刀は武器ではあるが、今は
古式銃と共に歴史的美術品とし
て扱われる。
日本刀も、千年前の作であって
も、武器としての能力は一切消
滅してはいない。
ただし、現代では位相が異なる。
そのあたりは、赤江瀑の『オイ
ディプスの刃』の倒錯した日本
刀愛の姿は悲劇を呼ぶ、という
小説で描かれていた。
なんせ、全員が死んでしまうの
だ。全員。登場人物たちが全員。
一口の青江次吉という南北朝時代
の日本刀を巡って。

レミントンは雷管ニップルの間
に溝があり、普段はそこにハン
マーを納めてロックする。
安全装置が完璧で、それはつま
り6発フルロードできた事を意
味する。
これは6連発ながら実質は5発し
か装填できなかった安全性に乏
しいコルトSAAよりもファイア
パワーの点で優れていた。


パーカッション式だが、このシ
リンダーを何個も用意して素早
く弾倉チェンジをすれば、金属
カート式6連発よりも早かった。
その実際の歴史的なテクニック
はクリント・イーストウッドが
西部劇映画で再現していた。
また、明治初年の横浜を舞台に
した『人魚亭異聞 無法街の素浪
人』(1976)で士族のガンマンの
千鳥弦之進の愛銃がレミントン
だった。







このドラマはかなり面白かった。
明治初期の横浜が舞台。
時代設定と使用武器に違和感は
無い。

時代劇いろいろ。
ハマ舞台の時代劇は稀有であり、
国際犯罪都市ヨコハマの最初の
姿を描いている点で、『人魚亭…』
はとても面白い。
三船は三十郎が年食ったみたいな
キャラだし(笑
『用心棒』(1961)の映画でも、
ヤクザ役の仲代達矢は坂本龍馬
も愛用のS&Wの2型を使っていた。




世界のクロサワは、この映画で
は実銃を使い、薬莢は空砲を使
用して撮影した。龍馬の銃だ。

坂本は宿泊先への幕吏警察部隊
の急襲により、捕縛吏を一名射
殺している。
戦闘のさなか、次弾を装填しよ
うとしたら、シリンダーが血で
滑って転がり落としてしまい、
やむなく銃を捨て刀でその場を
脱した。
幕末に過激派テロリストで全国
指名手配だったオタズネモノの
犯罪者の連中が明治政府を作っ
た。明治「維新」とはそれ。
犯罪者の政府。
さしずめ現代ならば、日本赤軍
が新日本政府を作るようなもの
だ。
のちの明治政府の高官たちは、
幕藩時代に品川の英国公使館を
放火焼き討ちした。
今ならアメリカ大使館にロケッ
ト砲を打ち込むようなもの。
また、長州藩は京都を火の海に
して市民を殺し、その機に乗じ
て天皇を拉致して長州に連れ去
ろうとしていた。
そして、蛤御門の変では、天皇
住する御所に火をかけ発砲し
のが後々の明治の元勲たちだっ
た。
討幕派が護国と尊王?
笑わせてはいけない。
世の中で一番の大逆の賊徒が長
州薩摩を始めとする幕末戊辰戦
争の西軍だった。
西軍こそがシン・賊軍(真の賊軍)
である。
私が生まれた時からたかだか百
年以内の事だ。
で、実際に私が生まれて子ども
時分に生きているじじいやばば
あの親や祖父母は、幕末戊辰
争の時代の人間だった。地方の
士族の旧家には戊辰戦争時の銃
刀剣もゴロゴロ残っていた。

椿三十郎、桑畑三十郎のいた時
代は最幕末という設定になる。
そして、横浜に流れついた(笑
ホントは座頭市に斬られて死ぬ
のだが(笑
さらに、素浪人を装う三十郎は
幕府の隠密だった。座頭市と対決
する映画では。
あんまし、スターシステムを多用
すると、話が出鱈目になるよなぁ。
だが、それは時代劇特有のエンタ
ーテイメント性なので、面白い事
は面白い。やりすぎははちゃめちゃ
になるが。
そのあたり、タランティーノは、
原作や既存作品の重要な幹を尊重
しながら新作展開するのが上手い。





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