渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

Micarta ~イエローマイカルタ~

2023年04月06日 | open



イエローマイカルタの先角を
持つオールドショーン。
非常に美しい色合いを放って
いる。
ウェスティングハウス社の
本物のマイカルタだ。
日本のビリヤード界やギター
界ではミカルタという誤読が
一般的だが、正確にはマイカ
ルタと発音する。
日本のナイフ業界は正しく
マイカルタと表記している。
MICARTA はミカルタではなく、
マイカルタである。
現在は買収され別会社がマイ
カルタの商標権を有している。
しかし、マイカルタにはいろん
な種類があったが、イエロー
リネンマイカルタの色合いと
質感は本家ウェスティング
ハウス社の製品が非常に良い。

このoldの個体は競売で20万円
で落札された。
この当時のショーンとしては
非常に低価格で落札されたと
思う。


イエローマイカルタは経年変化

でオレンジがかり、さらに飴色
に変化する。

マイカルタのハンドルのナイフ
を持っている人なら分かるだろ
うが、マイカルタは経年変化に
より濃淡が部分的にグラデーシ
ョンのように濃くなり、やがて
その濃い部分が広がってさらに
色が変化する。
その変化途中の様子は、トップ

の画像からも見て取れる。
先角のタップ寄りがイエローが
かっているが、これが元の色に
近い。
根元のほうは蜜柑色が入って
来ている。
リネンを樹脂で圧縮硬化させた
絶縁化学工業素材なのだが、経
年で色彩が変化するのがマイカ
ルタだ。ホワイトマイカルタな
どはまるで象牙のようにパティ

ーナ変化を見せるので面白い。

(私のナイフ)
 
マイカルタは紫外線の影響が大
のようで、フィクスドナイフな
を革シースに入れっぱなしだ
と、
シース内部と表に出た部分
まるで中学生のテニス部女子
のソックス日焼け痕のよう
に色
の違いがくっきりと出る。

そして、それの色は元には戻ら
ない。
イエローマイカルタは、レモン
色の頃が一番爽やかだ。
やがて、それはオレンジの蜜柑
色が出て来て、やがて飴色に
なる。
私のショーンの先角も、象牙の
パティーナのような薄だいだい
色だったのが今では濃い蜂蜜の
ような色に変化した。

(私の1983年製ロバート・ランデ・
ショーンR21の先角)


元はこの真ん中の感じの色だった。
厳密にはこれよりもやや薄いオレ
ンジ色が入ったあたりの感じ。


まさに、本記事トップ画像の
先角の色の変化途中の感じが、
私がランデキューを入手した
当時の色だった。イエローに
蜜柑色が混ざるグラデーション
段階だった。
私のランデキュー本体は1983年
製で、最初の
所有者はアメリカ
本国で購入して日本
に持ち帰っ
た。同じ製品は日本国
内はもと
より、米国でもネット情
報では
ほぼ見たことがない。貴重な
チューリップウッド製だから
同一モデルは極めて少ない製作
本数なのか
もしれない。

似たデザインの作はそこそこ
見たことがある。ただし、チュー
リップウッドではない。マグロ
黒檀も象牙インレイも無い。

これは確か型番R-19ではなかった
ろうか。


私の作と同じ型番のデザイン作
はネットでは海外売買サイトに
あったこれ1本しか見た事が無い。
ただしリングが私の個体とは異
なる。(ショーンはオーダーで
メタルリングか木製ダッシュド
ラインリングかを選べた)


チューリップウッドの大材は木
材で一番高額な
材料ではなかろ
うか。

チューリップウッドを使って
ヨーロッパの某王朝と同じ家具
を作ったら、現在価格で5億円と
いわれている。

チューリップウッドは赤っぽく
オレンジがかったとても美
しい
木材だ。大木にはならない。

現在輸出入禁止木材。
このキューは40年前に製作され
た。40年の年月が過ぎようとも、
撞球性能に衰えは一切無い。
ショーンとはドイツ語で美しい

という意味だが、その名の通り
美しい。型番R-21、1983年製。
普通のスタンダードラインでは

なくカスタムラインなので、
一般カタログには載っていない。
サウンドは透き通る高音を発する。



この記事についてブログを書く
« 江戸の大店 大儲けの秘密 | トップ | 玉の撞き方 »