渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

オリーブドラブ

2021年04月16日 | open


一口にオリーブドラブといっても、色番
からすると実に多くの色合いがある。
また、特にこの色は光の当たり具合によっ
て色調が違って見える現象がある。
軍物の単色迷彩でオリーブドラブが採用
されたのは、単色迷彩ながら柄物迷彩と
同じような効果が存在した事も勘案され
たのではなかろうか。
単色迷彩と柄物迷彩では、単色迷彩は汎
用性が高いが、柄物はその柄と色調と合致
する風景にしか溶け込まない欠点がある。

迷彩の目的は、シルエットを判然とさせ
ないようにして位置を特定されにくくする
為だ。有り体に言えば被弾回避の為。
それが極限まで進むとスナイパーのギリー
スーツとなる。
狙撃手のギリースーツは、完璧に風景に
溶け込んで発見されない事を目的として
製作された完全迷彩を目指す被服だ。
迷彩思想の究極がギリーであり、ステルス
効果により、狙撃点への反撃を回避して
いる。
スナイパーはどこにいるかは肉眼では発見
できない。赤外線感知装置を使おうにも、
600m離れた距離ではハンディ感知装置で
は探知できない。その距離からスナイパー
は狙撃する。現在では1千メートル級の距
離からも狙撃する。










軍服の歴史では、前近代までは敵との識別
明確にして誤射を防ぐ目的があった。
西欧でもそうだし、日本では戦国時代など
はもろにそれだ。敵と味方を区別する為に
兜などの装備の色分けをした。
しかし、現代塹壕戦の登場と共に、土色
単色の迷彩色が全世界で一般的になった。
そしてヨーロッパで第二次大戦時に柄物
の迷彩服が発明されて、さらにシルエット
の外形をぼやかす事が広く採用された。
戦闘機や戦車や軍艦なども、単色迷彩や
柄物迷彩が各国で施されるようになった。
塹壕戦時代には服は土色の迷彩色が主流
だったが、紛争なり戦争なりがジャングル
戦主力の時代においては緑系のオリーブ
ドラブが万国で主流となった。
緑系の軍用被服の採用期間は長く、現在
でもオリーブ単色を軍服としている国は
多い。

同じ生地のパンツの左右でも、光線の具合
により、このように違う色に見える。
これがくすんだ緑であるオリーブドラブ系
の彩色の特徴といえる。写真だけでなく、
現実的に肉眼でもこう見える。


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