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渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

夕陽のガンマンと三部作

2020年12月27日 | open
 
イーストウッド/レオーネ三部
作で、2作目
の『夕陽のガンマン』
ではリー・バン・
クリーフはいい
もん(笑)。
妹の敵討ちの為にメキシコ国境
付近の町に
やってくる。
 
有名なマカロニ三部作は、各作品
とも物語
に繋がりはないとされる
が、主人公の名無
しのブロンディ
(本名ジョー/マンコ。日本
語字幕
ではモン
コ)は同一人物である
かの
うに描かれており、なぜ
ポンチョを羽織
るようになった
のかは第3作目の『続・夕陽
のガンマン』で描かれている。
そして、なぜ名無しのブロン
ディが細葉巻を咥える
ように
なった
かも。
 
トレードマークとなったポンチョ
には深い
魂の意味があった。


歴史的な時代の流れの物語の配列
順は、
1.続・夕陽のガンマン
2.荒野の用心棒
3.夕陽のガンマン
となる。
リー・バン・クリーフは二度出る
が、これ
明らかに別人の役
だ。南北戦争時代に
ブロンディ
に三すくみの決闘で撃ち殺され
るからだ。
その三すくみ状態は、あえて
『夕陽のガン
マン』で再現した
構成になっているが、
これは、
後作の『続・夕陽のガンマン』
で再現されており、時間軸を
逆行させる
ダブルオマージュと
して描かれている。
『夕陽のガンマン』では、名無し
の金髪
野郎(イーストウッド)は自
分のピースメー
カーをモーティ
マー(リー・バン・クリー
フ)に
貸してやる。
このコルトSAAはクリント・イ
ーストウッ
ドの私物であり、
撮影の為にリグと共にスペイン
まで
持ち込んだとのことだ。
時代設定が一番古い『続・夕陽
のガンマ
ン』(最後の最新作)
では、南北戦争時代で
あるの
で、出てくる拳銃はパーカッショ
モデルが中心だ。
しかし、主人公のクリントは
は金属
薬莢.44口径に改造した
コルトネービーの
コンバージョ
ンモデルを使用している。
(しかし弾頭は.38バージョン
に見える)
当時最新式の機構だ。
その銃をホテルで分解整備中
に敵が襲って
来るシーンは面
白い。
慌ててクリントは組み立てて
いる。
しかし、そこでもイーストウッ
ドが左利き
である癖が出てし
まっている。
彼はあたかも右利きのように
演技をしてい
て、銃は敢えて
全て右手で抜く。これは、
その後の『ダーティーハリー』
シリーズで
もそうだった。
 
『続・夕陽のガンマン』では、
原題にも
ある「悪い奴」である
リー・バン・クリー
フの銃は
パーカッション式のレミントン
なのだが、なぜかガンベルト
にはカート
弾薬がぎっしりと
いう謎がある。
彼の銃はコンバージョンモデル
の金属薬莢
式ではない。
また、これも題名にある「み
にくい奴」の
トゥーコ(イーライ・
ウォーラック)の拳銃
は、銃砲店
で強奪した銃はコンバージョン
式だったのに、三すくみの決闘
の時には
なぜかパーカッション
式になっている。
しかも、決闘後にブロンディは
トゥーコに言う。
「弾を抜いておいた」と。
パーカッション式は火薬をシリ
ンダーに
詰めて押し込み、さら
に弾丸を詰めてレ
バーで押し込
み、シリンダーの後ろに雷管
=パーカッションを被せる。
弾丸は落ちないようにワックス
グリスで
蓋をする。
金属薬莢式のように弾丸を抜く
などという
のは簡単にホイホイ
できない。
このあたりが、安直なマカロニ
ウエスタン
の適当さだ。
ケビン・コスナーの『ワイルド・
レンジ』
でも、ピースメーカー
から弾が10数発連続
で発射され
るのも超テケトンで完全なる
アウトだが(それさえなけれ
ば、あれは
名作)。
 
『続・夕陽のガンマン』での
ブロンディ
の金属薬莢コンバー
ジョンタイプのコルト
ネービー。
コンバージョンであろうと
薬莢
式ならば薬莢が撃発後に
膨らんでシリン
ダー内壁に張
り付くので、エジェクション
ロッドが無いと薬莢を排出で
きない。
この映画の銃のタイプならば、
金属棒の
道具を別に持って
いないと、弾丸の排出
と次弾
の装填は不可能だ。


騙して弾を抜いたり、弾込めの
途中で敵が
ホテル襲撃してきた
り、ギミックが面白い
『続・夕陽
のガンマン』であるだけに、
銃器
に関してのテケトン具合のみが残
だ。折角、コンバージョンや
パーカッショ
ンを小道具で使った
のに。
だが、ジュリアーノ・ジェンマ
の西部劇の
ように、南北戦争で
コルトピースメーカー
が軍用拳
銃として使われているという出
鱈目
の極みよりはレオーネ三部
作はマシだ
ろう。
クリントのSAAは戦後モデルで西
部開拓
時代には存在しなかったと
はいえ。

それを言ったら、あのガンベルト
は西部
開拓時代には存在しない。
ハリウッドで
映画撮影の為に
1920年代から使われ始めた物だ。
 
それでもエンターテイメント。
西部劇は面白い。
 
このおっちゃん、できる!!
笑えるけど(笑)。
For A Few Dollars More guitar
 
こちら、お笑いではない本格派。
For A Few Dollars More // 
The Danish National Symphony Orchestra (Live)
 
 

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