
私より年齢の高いこのビンテージ
キュー。
17オンスと軽いので、エンド部に
ネジ切りしてウエイトボルトを埋
め込んで、デルリンエンドを装着
しようかと思っていた。
だが、考えたら、プールキューは
いくつもあるので、これは50年代
の原型のままがいいと思い至る。
そして、これはキャロムに使えば
いい。
アメリカでもキャロムが大流行の
時代のキューだ。
先角は標準で象牙である。
φ11.7mm、長さ21mm。
完全にキャロム用として作られて
いる。1910年代からあったNYの
老舗ディーラーが販売元。
そのディーラーは今は存在しない。

バット、シャフトとも曲がり無し。
恐ろしいものがある。
そして、不思議な現象を見せる。
これでポケットボールを撞くと、
トビずれが極めて少ない。
ハイテクシャフトのような手玉の
動きを見せる。勿論、これは完全
なるソリッド・ハードメープル・
シャフトだ。
キューにおける一つの解答がここ
にある。
20年程前から喧伝されたキュー
理論のシャフト先の考察論も、根
本から見直したほうがよいと思わ
れる現象をこのキューは示してい
る。
そしてまた、60年代のプールキュ
ーも異様な程にトビずれが少ない。
ソリッドシャフトだ。
ある謎の答えらしきものが、私に
は見えて来た。
ただ、材料がもう無いので、再現
は無理だろう。
中国がそのキーポイントに気づい
たのか、材料材質を旧来のままの
ソリッドシャフトで、形状変更に
より同現象を発生させようとして
いる事が最近の中国選手の使う
キューから強く看取できる。
もしかすると、ネルソナイト含浸
もさせているかも知れない。