
メタルファイアスターターの点火で一発
で生着火するが、焚き木にはならず、本
燃焼に移りにくいフェザー。
可燃ガス気化と燃材たる木片の燃焼バラ
ンスが崩れているため、フェザー部に火
がついても、ウッドスティックには燃え
移らずに火がすぐに消える。
油脂を多く含まない木材の場合は、さら
に火がつかない。
「火口」から火を育てる環境、状況にし
てやらないと、木の火熾しは不可能だ。
普段、燃料だけに頼る火使いをしている
と、火熾しスキルを持たない為、燃料切
れの時には一切火を熾せない事になって
しまう。
昔はキャンプ場での火熾しには新聞紙を
火口にすることが定番だった。
メタルファイアスターターでは、ほぐし
た麻紐が最強人造火口となるが、ティッ
シュでも良い。
また、ワリセンなどを燃料として塗った
綿紐も火口になる。
リップクリームも十分に火口燃料となる。
ただ、何も燃料を使わない木にそのまま
直着火は、かなり経験を積んで勘所を覚え
ないと点火はできても着火から本燃焼を
得ることは困難だ。
技術と知見を得るには、自分自身でやって
やってやりまくるしかない。
本では技術と知見は得られない。
知識のコレクターでは全く通用しないの
が、野外での実践行動だ。
だからこそ面白い。
できる自分になる事は、危険と危機をどん
どん自分から遠ざける。
生きている事を感じる事が野外活動は面白
い。
安全圏内でどんどん失敗すればよい。
工夫こそが、あすへの実を結ぶ。
ただ簡単簡易な事のみに頼っていると、
喜びも薄っぺらいものになってしまう。
これ、車両を思いのままに操る「操縦」
へのトライに似ている。
車両の操縦というものは、ただ乗って場
を移動する足とするだけではない深く広い
世界が広がる。
操縦にしろ、野外活動にしろ、その広い
世界への誘いは、誰にでも戸口は開かれ
ている。