サタディ・ミッドナイト・シティ・コーナー・バトル

その土曜の夜は、後年国際A級
になった奴のRDと2台で女の子
二人を駅まで送って行った。
帰り道、ある場所のS字で
バトルとなった。

直線フルブレーキングから同時
にコーナーに突っ込む。
並ぶように切り返して、私が
インの最短ラインで先に寝か
し始め、奴はクリップを奥
に取ってフルバンク時には
アウトから被せて並びかけた。

立ち上がりでラインがクロスし、

私はアウトにはらんだので奴
は狙い通りとばかり一歩前
にこちらよりもフロントを
インから出そうとした。

私ははらみを抑えるようにリヤ

をスライドぎみに回頭させて
旋回立ち上がりをしたが、
頭は並んだままだ。

奴のRDが速くてちぎることが

できず、出口後の直線フルス
ロットルではほぼ並んで、
結局勝負がつかなかった。

奴のほうがフルバンク時には寝
かせていなかった。それだけ
効率よく駆動を後軸にかける
時間が早かったのだろう。

私を抜かなかっただけで、奴の

ほうが確実に速かった。

勝負は表面的にはドローだが、

実質的にマシンコントロール
で私は完全に負けていた。

体型も感じもその後のバリ伝の

ヒデヨシのような奴だった。

もう45年以上前の話だ。
その後、奴はマン島TTレース

を走った。

その時のイメージ