goo blog サービス終了のお知らせ 

渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ステイン

2022年03月17日 | open


アダム社は米国ゴルフ用品雄キャ
ロウェイ・ゴルフ・カンパニーの副
社長リチャード・ヘルムステッター
によりアダムカスタム社として設立
された。1970年だ。
日本で製造されたビリヤードキュー
は、米国内ブランドとして主として
アメリカで販売された。
アダムキューが日本国内で販売開始
されたのは、アダムとして独立した
後の1986年からだ。

それ以前から、アダムのキューは
ステインという染め処理をキュー
に施していた。米国ではメウチ等
が得意にしていた技法だ。
アダムのステインはほんわりとし
ていて何とも味がある。

ただし、リビルドコンバージョン
の再構築などで丁寧に染めを剥が
すと、そこにはバーズアイ・カー
ー・タイガー・キルト等のメイ
プルの木目が浮き上がる。
良材にあえてステインを施してい
るのがアダムの特徴だ。






アダムから独立した三木Mezzも
アダムと同じ専用旋盤を使ってい
るようだ。5本一気削りの特別製
の旋盤。
スタンダード路線のアダムに対し
て、Mezzは最新鋭イメージのキ
ューを作る。
他国内メーカーは、淡路亭、石垣、
アダーチ等があったが、今は国産
マスプロメーカーはアダムと三木
に絞られている。
私は石垣とアダーチのプールキュー
も実際に持っているが、かなり
アビリティは高い。
しかし、現在、両社は廃業。
さらに昔は日本玉台や大阪玉台も
独自にキューを作っていた。東京
神田の淡路亭も。今は独自には
キューは作っていない。
私は注文製作の淡路亭シャフト
を持っているが、かなり良質だ。
東京下町の職人さんが削ったの
だろうなあ。

ビリヤードのキューのマスプロ
物は、メーカーごとに作風があ
るのが面白い。
Mezzのステインはアダムのよう
にふんわりしておらず、色が濃い。
染めというより塗装ステインの
ような雰囲気だ。塗装というより
も刀の差し込みヌグイをかけすぎ
のような感じ。
アダムはふわりと刃取りを活かす
ようなステインを見せる。


ステインを剥がしたアダムのフォア
アーム。


アダム86-9Sのフォアと淡路亭の
シャフト。リングは移植した。


新設のハンドルとリアスリーブと
デルリン®︎のキューエンド。


ハンドルとスリーブ内部にはスタ
ビライズドウッドの芯をセンター
コアとしてネジ切り通しで仕込む
構造にしてある。撞き味は極めて
ソリッド。スネークやアイアンウ
ッドやエボニーに比べて柔らかめ
のブラジリアンローズウッドが、
まるで適正配置されたエボニーの
キューのような撞き味に変身した。
中央付近のメイプルによりエボニー
のみのキューのソリッド感一辺倒
が適正化で希釈され、絶妙の独特
撞き味を出す事に成功した。
コンバージョン手法の成功の例。
打球音は甲高い澄んだ音がする。

この記事についてブログを書く
« ワケギのヌタ | トップ | タネ板=ベニア »