渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

映画『エルヴィス』(2022)

2023年02月27日 | open
 

 
リアル。
とても良い。
製作費に対して興行収入がかなり
低かったのが不思議だ。
エルヴィスの時代、アメリカは
人種隔離政策で人種差別を法律
で定めていた。白人至上主義だ。
アメリカの「民主主義」などは
それだった。戦後1950年代。
世界一の民主主義を誇るアメリ
カ合衆国とは、人が人を人種
よって差別することを国
是とす
る国だった。リンカ
ーンから百
年経とうとも。
1960年代初期、アメリカで初め
て大学まで進学した黒人女子学
生は、「チンパンジーが学校に
通ってる」と囃し立てられ、学
内外で白人から嘲笑され、差別
と侮蔑の声と目を浴びせられて
自殺した。大学はおろか高校に
さえ行く黒人はほぼいなかった。
社会的制度としての差別と、白
人からの差別心と貧困により黒
人は進学などできなかったのだ。
そのくせ戦争時には最前線に送
る。元々奴隷として使役牛馬と
同じ扱いでしかなかったのが白
人社会での黒人だった。
アメリカもそれを実行していた。
白人と黒人は別な生物なのだと、
1950年代末期でさえアメリカ
は国としてそれをやっていたの
だ。私が生まれるほんの数年前
と生まれた後も。
 
黒人地区で育ったエルヴィスは、
黒人音楽と黒人聖歌表現である
ゴスペルに感化され、そして、
黒人音楽をやる世界初の白人
なりデビューした。
「下品で野蛮」な音楽をやり、
黒人のように腰を振るエルヴィ
スは社会から悪の象徴とされ、
指一本でも動かしたら逮捕
する
と権力者から恫喝された。
だが、エルヴィスは歌った。
エルヴィスはやがてアメリカの
価値観を変えた。若者の支持
「利益になる」とビジネスに
利用した大人によってだが。
しかし、エルヴィスの中には歌
は垣根を超えて人が幸せになる
という真実があった。嘘はない。
どんな圧力があろうとも、黒人
とも音の時間を共にした。
 
そして、エルヴィスは、彼を働
かせて搾取し続けた米国籍を持
ない密航者だったペテン師
ージャーのトム・パーカー
なく、アメリカそのもの
に殺された。
アメリカの資本主義という体制
に。
本作品、トム・ハンクスが名演
を見せる。
 
例によって、ネトフリは最後ま
放送せず、エンドロール
途中
カットする。
映画を馬鹿にしたこの放送姿勢
何とかならないのか。
映画作品を愚弄しているそん
形式の放送をしている映画
配信サイトなどは他には無い。
映画館でエンドロール途中で立
観客があたかも映画を読み
ポイのタブロイド紙と
同じと
えているのと同様
その姿
は映像配信者として
映画その
を軽んじている。
 


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