日本でスヌーカーが流行らない理由。
それは単純明白。
テーブルが巨大だから。
スヌーカーテーブルは12フィート台
だ。
ポケットや四つ玉は9フィート。
大台のスリークッションでさえも
10フィート台だから12フィート台
というのは如何に巨大か判る。
敷地面積をかなり取る事に加え、
テーブルが一脚150~200万円程
する事も影響しているだろう。
日本にスヌーカー台が入って来た
のは1980年代の後半だが、店舗に
設置しても、せいぜい1台置くのが
やっとの店ばかりだった。
今でも競技人口は驚く程に少ない。
日本初のスヌーカー選手権も
かつては開催されたが、その出場
選手も町内会将棋大会よりも少な
いような人数だった。だが勝てば
「日本チャンピオン」だった。
スリークッションがキャロム種目
の王様であるならば、スヌーカー
はポケット・ビリヤードのキング
だといえる。
途方もない大きな台で小さい玉
をエッジが丸められて入れにく
い穴に入れる。それをしながら
手玉を自在に制御して動かす。
入れることだけでとても難易度
が高いのがスヌーカーだ。
実際にテーブル見たら驚きますよ。
保養施設の浴槽のように大きい
から。
日本ではこの先もスヌーカーが
流行する兆しはほぼ無い。
敷地面積を広く取る事とゲーム代
も高い事、プレーヤーが極端に
少ない事等が理由に挙げられる。
アメリカン・ポケットは非常に
大胆過激な攻めができる面白い
種目だが、スヌーカーはさらに
そこに超高度な緻密さが要求さ
れる。
昔、私がスヌーカーをスヌーカー
フォームでスヌーカーキューで
撞いたら、玉をポット(プール
でいうところのポケットイン)
させる事自体が非常に難しいの
で驚いた事があった。
クッションに密着した玉をポット
させるのはとても難しい。プール
では簡単にスルスルとクッション
に這わせてポケットさせる事が
できるが、スヌーカーは困難。
なので、クッションタッチの玉
をポットさせて、かつ手玉をネク
ストポジションに出しただけで
目の肥えた英国人が観客の大会
などでは選手は大喝采を受ける。
ただ、かといってトン突きなど
は世界トップレベルのスヌーカー
プレーヤーはやらない。
しっかりとどんな玉でもキューを
出してキュー切れの冴えを見せる。
撞球のキングなので、変な突っ
つき方などはしない。
超難易度の高い台と玉でそれを
やる。
圧倒的な強さを見せるロニー・
オサリバン。
潔く冴えわたる撞き方は、まる
でロケット・ロンだ。英国では
ロッキーと愛称で呼ばれる。
かといって、ではシュート力も
技巧も優れているスヌーカーの
選手がプールで成功するかという
と、それがそうでもない。
英国人の女性選手アリソン・フィ
ッシャーなどの成功例はレアなの
だ。
スヌーカー世界チャンプの若獅子
トランプもU.S.オープンに参加し
たが、緒戦で敗退している。
それは餅は餅屋ではないが、プー
ルにはプール独特の技法と組み立
て方があるので、やはり専門選手
のほうが対戦では上位に行くので
ある。
アメリカン・ポケット=プールは
スヌーカーに比べるとポケットさ
せるのは雲泥の差で簡単だが、
そのシュートだけではない要素が
多いので、逆にスヌーカーにはな
い多様な技法が必要になって来る
のだ。
単純シュートインだけをみたら
プールのほうが比較にならない
程にスヌーカーよりも簡単だ。
だが、ポケット・ビリヤードという
のは玉入れだけが主眼ではないと
いうのはプールもスヌーカーも
共通していて、手玉をどのように
どう動かすかでゲームの雌雄が
決する。
撞球はどの種目でも難しい。
アメリカン・ポケット=プールの
中のゲームでは14.1ラック・コン
ティニュアス=ストレートプール
が一番技術を要する。
プールの中の帝王がストレート
プールだと断じる事ができる。
ただ、難しすぎるので、一般的に
は一番簡単、単純明快なナイン
ボールが広くプレーされている。