カワサキマッハIIIのポスター

 

伝説的なカワサキマッハIII
のポスターだ。

めちゃくちゃかっこいい。

1969年の時代のサイケな
ファッション世相もよく
わかる。

東大安田砦が陥落した年
ね。大阪万博の前年。人
類が初めて月に降り立っ
た年。

ベトナム戦争は泥沼化し
て、完全なアメリカの理
不尽な大量虐殺に世界中
の人々が反戦を訴えた頃。
アメリカは核爆弾と同じ
ような非人道的兵器を使
い、その影響でベトナム
では多くの人々が苦しみ、
奇形児も生まれた。アメ
リカに正義は一切無いこ
とは明白だったし、世界
の多くの人々がそれを指
弾した時代だ。

日本では漫画「あしたの
ジョー」があった年だ。
「ワイルド7」もこの
年から連載された。
そうした年に世界最速の
カワサキマッハIIIは生ま
れた。

 

さて、そのカワサキマッ
ハIIIのポスターには別の
バージョンもある。

これなのだけど、こちらの
ポージングは分かってない
なあと思う。

分かってないというのは、
膝を開いてパンチラさせ
ていることだ。

パンチラがセクシーかと
勘違いしている。

全く解ってない。

しかも、これは真パンチ
ラではなくモロパンだ。
てんで駄目。

トップ画像のように、爪
先をやや外に向けて膝を
閉じるポージングがどれ
だけ画角としてセクシー
なものであることか。

例えるならば、それは女
性がピンヒールのサンダ
ルを脱ぐ時に内側に膝を
曲げるセクシーさに通じ
る。そこであぐらのように

足を外側に曲げたなら、
いくらパンチラになって
も全くセクシーではない。
それはドスコイだ。

 

このカワサキマッハIIIの
トップ画像の絶妙な脚と
足のアングルのポーズは、
「M字開脚」とは何であ
るかのテーマにもなる。

真M字を解ってない連中
は、ガバッと四股を踏む
ようなのをM字とか呼ん
だりする。

てんで頓珍漢だ。解って
ない。

真M字開脚とは膝は閉じ
気味になるのだ。

この世界チャンピオン、
カワサキのアントン・
マンクのヘルメットの
M字こそ真M字開脚の
シルエットなのだ。

厳密に言うならば逆Wの
形だ。

大股開きの膝開きドンガバ
チョなんていうのはM字開
脚ではない。それまたドス
コイなのだ。

膝を着けてしゃがんだ状態
から尻餅をついたようなア
ングルが真M字開脚なので
ある。

 

世の中、解ってないのは多
い。

たぶん、絵描きやカメラマ
ンや映画監督とかは、か
なり厳密にモデルや役者
にほんの僅かな角度の違
いを注文指示することだ

ろう。解っている表現者
たちは。真を描こうとし
て。

 

さて、有名なカワサキマッ
ハIIIの上掲のポスターのポ
ージングは、その15年後、

漫画「あいつとララバイ」
において、本牧レディの
登場シーンで作者によっ
て使われた。本牧レディ
がカワサキに跨って路上

に佇んでいる姿で。

当然にして、作者楠先生は、
その脚が斜めで膝閉じ爪先
やや外のポーズのほうを採用

した。何が大切なのかよく理
解している。

このポージングにおいて、膝
の閉じ方とふくらはぎの斜め
の美しい富士山角度、そして
膝閉じと連動するやや爪先外
向けのアンニュイな女性らし
いアングル、それらがいかに
重要なものであるか、ララバ
イの作者は解っているし、分
かっているのだ。

識別と区別を有しているので
ある。

 

こうしたことってね、意外と
大雑把で雑で適当な人たち
は世の中多いんだよ。特
に垢抜けない日本人やア
メリカンてのは。

だから、いつまで経っても、
ベレー帽一つまともにかぶれ
ない。

日本人もひどけりゃ無教養な
アメリカ人なんてもっとひど
いからね。

ベレーを全軍に折角将軍が
骨折って採用させたのに、
結局、アメリカ人は頭弱く
てかぶり方をいつまで経っ
てもマスターできないから
ベレーを廃止せざるを得な
かった。だから今米軍全軍
の黒ベレーは無い。

野球帽みたいなやつのほう
が簡単だからそっちがいい
や、てのが理由らしい。

日本人もそういうところは
アメリカの真似をするから、
識別と区別ができないよう

な質性にどんどんなって行
く。

それはパンチラの美学の消
滅と同位なのだ。パンチラ
ではなくモロパンのほうが

セクシーかと勘違いする大
雑把さ。世の中でかけりゃ
いいぜとか、大爆発ヒャッ
ハーが正義だぜ、みたいな
感覚。腹に入れば食い物な
んて何でも一緒だ、みたい
な野蛮な感覚。

そういうのってね、中国天
安門事件の時に、中国政府
が国民を虐殺したけど、
「中国は10数億人いるので、
百人位死のうが関係ない」
と中国政府が公式に公言し
てしまった位に野蛮なこと
なんだよ。

えてして、大国覇権主義は、
洋の東西を問わず質性が大
雑把で野蛮だ。強引で傲慢

である。

パンチラではないモロパン
や、膝閉じではないドンガ
バチョを良しとする安直な
一気全開は、大国覇権主義
の野蛮さに繋がるのだ。

環境問題はセクシーと言っ
たエースは、やはりタワケ
の息子だったのかと馬脚を

現したのだが、セクシーと
は過敏過ぎる程に繊細な感
性の上に成立する人間的な

感性なのよね。

大雑把なドスコイ感覚でセ
クシーが感性として解ろう
はずもない。

そして、一つの定理がある。

セクシーさを感じ取るのは、
どうやら女性よりも男性の
ほうが抜きん出ているよう
に人類は造られたようだ。

これはアダムとイブの話だ
けでなく、日本神話として
も。

そのことは、それらが視覚
的なことについて、女性よ
りも男性のほうが鋭敏であ
るという質性の違いとして
ある。

どちらが偉いとかではない。
それは質性の違いとして存
在する。どちらが上位か下
位かではない。質の違いな
のだ。

これは、男のほうが女より
も視覚的なものである種の
回路に通電することにも
現れている。

 

だが、気をつけないと、そ
の男性の鋭敏さは、時とし
てパラノってしまい、傲慢
さを助長してつけあがって
パワーこそ正義となりかね
ない。

戦争を準備して実行するの
は常に男だった。

そして、銃後に女を控えさ
せようとする。

歪んだ精神構造だ。

膝閉じ富士山M字開脚の感
性こそが、人類の平和に繋
がる。

大艦巨砲主義、ゴリ押しの
大国主義、覇権主義、独裁
主義は駄目なのだ。

それってね、結局は男根主
義なのよ。

てんでセクシーではない。

真のセクシーとは、本当は
性別を凌駕する普遍性を持
つんだよ。男女の質性をも
超えるものとして。

だからこそ芸術が芸術とし
て、男女どちらかの独占物
とはならず、性を超える普
遍的な人類の美として成立
する。

芸術が人類の幸福に繋がら
ない政治作為の独占物と変
質させられるほど悲劇はな
い。

表現の自由についても然り
だ。

また、スポーツにおいても
同。

スポーツが各国の威信を誇
示する代替物に変容させら
れるのは実に醜(みにく)い。
そして、弱者を踏みしだい
て己の利を得ようとする人
間は一番醜い。
それが集団的日常化してい
る組織などは最悪だ。
確実に人を傷つけ、苦しめ
抜く。