バートン・スペイン(1942-1994)
シカゴ生まれシカゴ育ちシカゴ歿。
実に美しいハギを作る。
名手だ。
バラブシュカも彼のハギを
仕入れてキューを作った。
バートン・スペイン。
ハギ屋だ。だが、キューも作る。
しかも世界トップの。
彼はキュー作りに長けていた
だけでなく、非常に高いIQを
持っていた。 ISPE (International
Society of Philosophical Enquiry)
のメンバーに選出されたが、これ
は人口の上位0.1%以上のIQ保持者
でないと入会できない。
彼の公的な場でのスピーチは
とても知的である事が全文記録
から判断できる。
1993年ACAキューメーカー殿堂
入り。
1994年、52歳の若さで病没した。
機材はハーセックが受け継いだ。
アメリカンプールのキューの歴史
的な偉人は何人かいるが、バー
トン・スペインがその技法、設計
趣旨、着眼点においてはトップだ。
アメリカではキューメーカーの中
のキューメーカーと呼ばれている。
ハーマン・ランボー、ジョージ・
バラブシュカ、ガス・ザンボッティ
がキューの三大巨匠といわれるが、
実は工作精度と発想と着眼点と
完成度の高さは、バートン・スペ
インが頭一つ抜けていた。
しかし、完成したコンプリート・
キューよりもハギ提供のほうが
供給量が多い為、キューメーカー
としてはあまり日本では知られて
いない。
だが、キューの内実はバートン
こそが世界一のトップだ。
バラブシュカもバートンのハギ
を使っていた。
ブランズウィックのハギよりも
遥かに完成度が高かったからだ。
バラブシュカは組み立て屋的な
ところがあり、ブランク等を他者
から仕入れてキューとして完成
させる手法だった。
そして、実に多くのアメリカン
キュービルダーはバートンの
ハギを使用していた。
バートン・スペイン製とは知ら
れぬまま著名作者のキューとな
っているハギは多くある。
ニスはウレタンではなくラッカー
を使用しているようだ。
ラッカー塗装独特の特徴が現れて
いる。
このキューはフルスプライスで
バットスリーブまでハギ材を突
き通しているかも知れない。