渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

疑問

2022年09月16日 | open



一つの疑問がある。
ビリヤードキューは、1960年
初期以降、ジョイント部分にファ
ンシーリングがあしらわれる事が
多い。バットのジョイントカラー
下とシャフトの根元に装着され
る。
このファンシーリングは完全に
装飾パーツである。


元々はメープルの木が割れたり
しないように樹脂の輪っかを
削り込んだ木の本体に嵌め込ん
でから接着させていた。
それに指輪のように装飾を施す
事が1960年代から開始された。
金属の輪を挟んで上下を黒樹脂
接着する方法に始まり、いろ
ろな装飾技法が駆使されるよ
になった。
樹脂に溝を彫り、そこに銘木や
ベニヤを埋めてファンシーな
リングが作られる。
装飾化は激化の一途を辿り、
難易度の高い技法を見せるのが
まるでキューという道具職人の
腕であるかのようになって来た。
実用性などは一切斟酌されない。
いつからか、ビリヤードのキュー
作りはそのようになってしまっ
た。プレーの為の高性能道具で
はなく、富裕層が買い占める美術
宝飾品となってしまったのだ。

だが、疑問に思う。
過度のファンシーリングは、打感
と振動特性が悪化しはしないのか、
と。
性能追求第一の目的と、本来の
堅牢性確保の見地からは、樹脂
単体のリングを接着させたほうが
道具としては高性能なのではな
かろうか、と。
かつて80年代、ダン・ジェーンズ
がJossキューにおいて、どんなに
高額のキューであろうと樹脂単体
構造にこだわっていたように。





数値化できない事なので、数字
での比較評定はできない。
ファンシーリングがあろうとも
性能には影響がないのか、或い
はあるのか、若しくはあっても
微細ゆ人は感知できないのか、
それ分からない。見当つかな
い。
ただ、私個人は、概念的には樹
脂単体リングのほうが物理的な
道理からすると優位性を持つの
ではという疑問がある。
打感がぼやけず、確かな手応え
と濁らないストレートな反発挙
を得るのは、樹脂単体構造の
ほうがファンシーリング構造よ
りも上に思えるのだ。



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