渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

擬音

2022年06月24日 | open


東本昌平の劇画の中で、バイク
で激突して大破した時の音は
「ドテ ボキ グシャ」だが、
それは松本零士のオリジナルの
「ドテ ポキ グシャ」への
オマージュである事をどれだけ
の漫画読みが知っているだろう
か。

また、オマージュだけでなく、
東本作品には完全盗作もある。
それは大友克洋の『ハイウェイ
スター』の設定と展開をそのまま
頂いた。
大友作品では白バイ警官がアルバ
イトで非番の日に四輪で公道信号
グランプリの賭けレースをやる話。
そこで知り合った女の子を乗せて、
危ないから被っとけと中核派のドカ
ヘルを被せたりする。
大友作品には、「そこらに転がって
る落とし物」としてよく学生運動
セクトのヘルメットが出て来る。
反帝学評(社青同解放派)のドカヘル
を園児くらいのクソガキが被ってい
たり。腹にはライダーベルトを巻い
て。
東本作品では、その頂いた短編で
はウンドメットは出て来ないが、
設定と展開はまるっきり大友作品
と同じだ。
ただ、シュールリアリスム的には
大友作品のほうが遥かに秀逸である。
東本作品では、新左翼の反体制学生
ウンドのシーンは何度も出てくるが、
大友のようにネタギャグとして笑い
飛ばすものではなく、そのシーンだ
けはマジモードで描く。真面目なの
かも知れない。
ある意味、元中核派の押井の描き方
に似ている。
本当は、元法政大中核派の糸井重里
のように「笑い飛ばさないとやっ
てらんないよ」という境地まで行か
ないと大友タッチの後代における俯
瞰的な達観性は獲得はできないのだ
が、真面目な人はなかなかそのあた
り難しいのかも知れない。
オールドタイム2ちゃんの「ネタに
マジレスかこわるい」ではないが。
新宿ゴールデン街で元ブンブンの
奴らと三人(ブント内別派、マル戦、
赤軍、日向)でカウンターで飲んで
て、昔話が出た時に「MLってきも
よな。だって毛沢東語録をみん
持ってるんだぜ」とか言ってた
ら、内の奥から客がいきなり立
ち上って「それのどこが悪いん
だ!」と叫んだりさ。
で、直後に別な客が奥から「そう
だ、そうだ!どこが悪い?!」と
叫び声上げて顔真っ赤とかよー。
俺ら三人おどれーた。ブンブク
茶釜になりそうだったよ。この
店はML派のスクツかよ、と。
毛派は真面目すぎんだよな。
店内で後年時代に内ゲバてのも
野暮なんで、うまく丸めたけどさ。

ちなみに、世の中で初めて「バキ
ューン」を創作したのは、ゴルゴ
作者のさいとうたかをなのだそう
だ。
ドキュソを作ったのはひろゆきで
はないが、創出助長したのは天下
無責任男のひろゆきで確実だ。
知らんけど。

(文中敬称略)

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