渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

ネイキッドカワサキ

2024年05月31日 | open
 
 
ネイキッドよりカウル付二輪
のほうが好きだった。
理由は、カウルが国内で違法
とされた高校~大学時代には
嫌がおうにも合法的には今で
いうネイキッド(それが国内
すべてのノーマル仕様)の車
しか無かったので、権力によ
るお仕着せみたいで嫌悪感が
あったのだ。
カウルが解禁されてからは
カウル付を好んだ。
競技車両ではカウルは当たり
前だったが、国内認可では
警察が権力を牛耳るこの国
(道路や車両の決め事を警
察が単独で好き勝手に決め
る。これイコール権力だ)で
はカウルは理不尽な警察の
言い分により認可しなかった。
曰く、前照灯が固定だと危険、
とか意味不明な言。
では四輪車は全部危険ではな
いか。
しかし、そうしたものが国家
権力の実態だった。

だが、1980年代にカウル付が
爆発人気となると猫も杓子も
カウル付に乗り始めた。
これまた腹の虫が気に入らな
いと騒ぎ出す。
結果、多くの人が再びネイキッ
ドへの憧憬を抱いた。
そして、いつしかネオクラシッ
クという呼称と概念が登場した。

私個人はセパハンモデルばか
りに乗って来たが、2010年代
末頃からのバーハンドルモデ
ル再導入は実に1981年に新車
で即買いしたRZ350以来だった。
RZの1型はセパハンが認可され
る以前のモデルなのでバー
ハンドルが標準仕様だった。
その後のRZシリーズはセパハン
が標準仕様だ。ブラケット上
部に位置させたクリップオン。

乗ってみると、カワサキ車の
バーハンドルは路面情報伝達
がぼやける欠点はあるが、存
外良い。
そして、シャシ、ステム、サ
ス、ホイールベース等々、総
合設計がかなり良い。
二輪車としてほぼ完成されて
いる。旋回性能も申し分ない。

車は乗ってみないと解らない。
ゼファーとゼファーχが爆発
人気であるのは、ノスタルジ
ックな旧車感だけではなく、
その走行実力にも人気の背景
があるのではなかろうか。
唯一チェーン張りによって車
高が変動するという欠点を除
いては他に欠点は見当たらな
い。
今はもうない。私のこの個体
でさえ1997年製だ。27年前
のオートバイになる。
こうした良質な車両は今の
日本メーカーは製造ができ
ないのではなかろうか。
車作りの根本的立ち位置と
目線が激変したからだ。
そして、それは「進化」では
ない。
いくら、メーカーの提灯持ち
のようなライターたちが褒め
称えようとも、事実は事実。
良くないものは良くない。
最新のものが何でも良いと
思い込むとしたら、それは
二輪に乗る側も全く目が曇っ
ている。
レーシングマシンでさえも
84年型より83年型のほうが
完成度が格段に良い、とい
う事例があるように、常に
最新型=最良ではない現実
がモノヅクリの世界にはあ
る。
盲信と妄信は駄目だ。
目に鱗を着けていたら前が
見えない。
真実も見えない。

 

 
 



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