『空軍大戦略』(1969年)
知り合いに「そんなの面白くないよ」と
言う人もいるが、私はとても面白い。
映画としてもよく出来ているし、プロット
にも齟齬はない。楽しめる。
物語の中での英独の軍人役の俳優の演技
も良いが、何しろ本物をバンバン飛ばし
ての撮影が圧巻だ。撮影時の1968年には
まだ現役飛行出来る機がいくつも残って
いたという事だ。戦後23年目。メッサー
もスピットも機体はまだ元気な個体が幾
つかあったのだろう。
この映画、何度観たか分からない。
『遠過ぎた橋』(1977)と共に何度も観た
くなる映画だ。
『遠過ぎた橋』は、高2の時の高校の映画
鑑賞会で観た。学年全員が見に行く。
昔の映画館は数百人収容の巨大劇場、超
特大スクリーンだったからだ。今の映画館
とは比べ物にならないような、まるでオ
ペラの劇場のような映画館だった。
毎年映画鑑賞会は高校の文化教育として
励行されていたが、私はその面は学校に
感謝している。
そして、後日、社会科や現代国語の教師
がマーケットガーデン作戦について、生徒
とディスカッションをする。授業中に。
そうした面は本当にユニークな学校だっ
た。
2年次の3年生送別謝恩会では校長が全校
生徒の前でハーモニカを吹いた。
それが、もうプロとしか思えない程で、
何年か前に動画サイトで話題になった
外国人のハーモニカのおっちゃんの演奏
を視聴しても何ら驚かなかった。高校の
時のあの校長の超絶技法に腰抜かした経験
があったからだ。あれは凄かった。ハー
モニカから流れる音はまるでオーケストラ
のようだった。
生徒同士顔を見合わせ、「あの人、なに
もん?」と囁き合った。
その時、仁科明子さんのお父さんの歌舞伎
俳優もOBとして来ていた。
昔の卒業生は文化人も多く、映画監督の
黒澤明も卒業生だ。
だから、映画観せるのかな?
知らんけど。
映画鑑賞は生徒に推奨されていた。
映画好きたちは、一般封切り劇場だけで
なく、文芸座や300人劇場やフィルムセン
ターで映画を観まくっていた。
DVDはおろか、ビデオも無い時代だ。
教師は映画好きに「年間200本以上は観
ろ」と言う。
そして、それを実行している連中が何人
もいた。
また、教師は言う。
「僕の講義などここで聴いているよりも、
学校来ないでふらっと鎌倉にでも海を見
に行ったほうがずっと自分の為になる事
もあるかもよ」と。
翌日、私は実行した。
私の実行以降、何人も実行者が出た。
そして、学校をエスケープした理由を
教師に問われたら、「自分を見つめに鎌倉
の海に行ってました」と皆が答える。
ちょいと問題になり、言った教師は狼狽
した。
そして、撤回宣言。
「すまん。日曜日に行ってくれ」と。
今までの人生では、高校時代が一番楽し
かったのは確かだった。
教師も生徒もおもしれえ奴ら大集合だっ
たからだ。
ネチネチとしたチンケな野郎は一人もいな
かった。
尤も、そんな奴が万一いたとしても、すっ
こんでいた。
図々しく勘違いして出て来れるのは今の
ネット時代のみだ。カスみたいなのが
ネットで他者を揶揄嘲笑するのを唯一の
精神の拠り所にするような心が歪んで病ん
だ奴らにも生存を許す寛容な社会が現代
だ。
ただし、行為は社会的には一切許されな
い。
合法的に法の行使により、社会的制裁を
以って討伐されるべきだ。
犯罪者であり、社会的害悪なのだから。
自業自得で文壇から筆を折られ、行き場
が無くなり、匿名裏ネットや自己ブログ
で犯罪(立件可能)行為を構成する名誉毀
損の刑事犯罪作文を続ける書き込みしか
できない。
哀れには思うが、自分のせいであり、お
寒い限りだ。みじめ。
映画でも観て、豊かな人生と寄り添う事
をおすすめする。