大映京都撮影所では
シネマスコープのワイド画面の像面歪曲と
鮮鋭度がもう一つなので、今までの画面を
二倍にしたビスタビジョンで映画を撮ることになりました
撮影される画面が二倍になりました
ネガが24×36ミリのライカ判サイズになりました
新しくビスタビジョン用ミッチェルカメラも輸入されました
スタンダードサイズもシネマスコープ版もカメラの中の
ネガフィルムは縦に走りますが、ビスタビジョンカメラは普通写真の
ライカと同じようにフィルムは横に走りました
本番撮影では監督がまず
「用意…」と号令をかけると
カメラのスタート・スイッチをオンにします
フィルムは半分のスピードで
「ブーン…」と助走します
カメラ前にカチンコが出されて
監督の次の
「スタート…」の号令を聞いて
本番のスイッチを入れると
「ヒューン…」と本番のスピードでカメラはまわります
そして、フィルムの助走部分とネガが二倍になったので、
ワンカットのフィルム消費量も多くなりました
カメラの本番スイッチをいきなり入れるとフィルムが傷ついたり
具合が悪いのかも知れません
ビスタビジョン第一作はタイトル「地獄花」で
室生犀星(むろうさいせい)原作、脚色監督は
伊藤大輔(いとうだいすけ)で時代劇
田浩二、京マチ子、市川和子、南左斗子,山村総他
ロケーションに津山高原に何日が出かけました
大映のビスタビジョン作品もこれ以外、よく覚えていません
普通に映画を撮って、スクリーンの寸法を広げるだけの
ビスタビジョン・サイズで制作されるようになりました
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