川本ちょっとメモ

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安保法案衆議院本会議採決時の公明党・遠山清彦議員賛成討論 発言全文

2015-08-07 19:08:12 | Weblog




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政府提出の安全保障関連法案が、2015年(平成27年)7月16日、第189国会衆議院本会議を通過しました。本会議採決に際して、公明党の遠山清彦議員が賛成討論を行いました。熱弁でありました。この賛成討論が政府の立場を簡潔に示しています。

まずは概観の意味で、「安全保障関連法案」と一般に呼ばれている、下記の新設法案・既存法改正案の一覧とともに、衆議院会議録から公明党・遠山清彦議員の賛成討論全文を採録して掲載します。
 

<一括審議で済まされる安全保障関連11法案>
  1.国際平和支援法案(新規制定)
  2.自衛隊法改正案
  3.国連平和維持活動(PKO)協力法改正案
  4.重要影響事態法案 (※「周辺事態法」から衣替え)
  5.船舶検査活動法改正案
  6.武力攻撃・存立危機事態法案(「武力攻撃事態対処法」から衣替え)
  7.米軍等行動円滑化法案(「米軍行動円滑化法」から衣替え)
  8.特定公共施設利用法改正案
  9.外国軍用品等海上輸送規制法改正案
  10.捕虜取り扱い法改正案
  11.国家安全保障会議(NSC)設置法改正案

 


平成27年7月16日 第189国会衆議院本会議
 公明党・遠山清彦議員 賛成討論
  ※小見出しは川本がつけました

 公明党の遠山清彦でございます。

 私は、公明党を代表し、ただいま議題となりました政府提出の平和安全法制関連二法案に対し賛成、維新の党提出の二法案に対し反対の立場から討論いたします。(拍手)

 日本は、戦後七十年間、多くの犠牲を内外で出したさきの大戦への痛切な反省を踏まえ、憲法の平和主義のもと、自国防衛のための専守防衛を貫き、他国に脅威を与える軍事国家とはならず、非核三原則を守るとの基本方針を堅持してまいりました。この平和国家路線は、今回の平和安全法制で何ら変わるわけではありません。

 ■国連PKO
 また、国際社会の平和あってこその日本の平和であるとの立場から、二十三年前より国連平和維持活動に自衛隊を派遣するとともに、海外での大規模災害発生時の国際緊急援助活動、ソマリア沖・アデン湾における海賊対処行動等にも自衛隊を派遣し、日本にふさわしい形での国際貢献を行ってまいりました。

 特筆すべきは、この間、任務中の自衛官の死亡者はゼロであります。また、自衛官により殺傷された者の数もまたゼロであります。これを偶然だなどと言う人がおりますが、見当違いも甚だしい、浅はかな見方であります。これは、日本の歴代政権がPKO参加五原則の適用など法制面と運用面においてリスク極小化に努めてきた証左であり、またそれ以上に、派遣された自衛官の高い練度とリスク管理に対する強い責任感のたまものであります。

 今回の平和安全法制において自衛隊の任務が一部拡大されている背景には、この国際社会から高い評価を得ている自衛隊の国際貢献のこれまでの実績があることを、ぜひ国民の皆様に御理解をいただきたいと思います。

 ■新三要件
 昨年七月一日の閣議決定は、公明党も参加した与党協議において、一層厳しさを増す現在の日本の国際安全保障環境を踏まえ、憲法九条のもとに許容される自衛の措置の限界を整理し、新三要件としてこれを明示いたしました。いかなる事態であっても、新三要件全てに合致しなければ、自衛の措置は発動されません。

 ■合憲――存立危機事態と限定的集団的自衛権
 新三要件に合致する事態の一部は存立危機事態であり、これは、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生していることを契機としているため、国際法上、集団的自衛権を根拠とする場合があります。しかし、それに続く部分、すなわち、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合とは、自国の防衛に目的を限定したものであり、昭和四十七年見解で示された従来の憲法解釈の基本的論理の枠の中にあることは明らかであります。

 政府が再三再四答弁されているように、本法案成立後も、国連憲章において国連加盟各国に行使が認められているのと同様のいわゆるフルサイズの集団的自衛権の行使が憲法上許されるわけではありません。

 ■存立危機事態の判断基準
 また、事態の認定等において、政府が恣意的な判断、運用ができないような歯どめも存在いたします。

 存立危機事態の明白な危険の判断基準としては、攻撃国の意思、能力、事態の発生場所、事態の規模、態様、推移、日本に戦禍が及ぶ蓋然性、国民がこうむる犠牲の深刻性と重大性、この五要素が国会質疑で明示され、政府はこれらを総合的に考慮して判断を示さなければなりません。存立危機事態とは、安倍総理大臣並びに横畠法制局長官の答弁にあるように、日本が直接武力攻撃を受けたときと同様な深刻かつ重大な被害が及ぶことが明らかな場合に認定されることになります。

 ■国会による事前承認
 こうした政府が武力攻撃事態等や存立危機事態を認定する前提となる事実は、原則的に国会の事前承認にかけられる対処基本方針に記載され、万一武力行使をする場合も、国民を守るためにほかに適当な手段がないことを明記することが義務づけられました。

 重要影響事態や国際共同対処事態における後方支援活動についても、認定事実が基本計画に明確に記載され、国会が判断できる仕組みになっております。

 すなわち、公明党が三原則の一つとして強調してまいりました民主的統制としての国会の事前承認の原則は確保されており、かつ、政府は、国会の判断の基礎となる十分な情報開示、情報提供をすることが義務づけられているのであります。

 ■終りに
 最後に、一言申し上げます。

 憲法のもとに、国民の生命、自由及び幸福追求の権利を守る責任は、政府だけにあるわけではありません。議会制民主主義の日本においては、国会もその責任を共有しているのであります。野党の皆様の中には、この自覚と基本的認識すら欠如している方がおられると思えて、残念でなりません。

 日本の安全保障を確保し、そして国際平和のための外交的努力においては、与党、野党を超えて、私たち国会議員全員が自覚と責任を持つべきであると申し上げ、私の討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)


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<私のアピール>
2012年末の安倍政権成立以後の短年月、武器輸出3原則を廃し、特定秘密保護法の新設、憲法9条解釈変更の7・1閣議決定(※憲法違反です)と、先行き不安な政策ばかり急激に推進されています。安倍内閣はデモクラシー日本を食い破りつつある危険な内閣です。その政治手法は民主主義下の独裁と見えて、危険です。安倍総理退陣まで、来年7月参院選で自民党に“No”を!






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