叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

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人間賛歌 「新・仏教教室」 百五

2009年11月14日 | 新・仏教教室

 聖愚問答抄続き 生命の秘密を明かす。  *

 生命の真理を悟った聖人は、生命が、心・身(からだ)・体(生命そのもの)
の三つで成り立っていることを知っています。

 一  
心は自分を認識したり、苦とか楽の感情を起こしますが、目で見ることも、
触ることも出来ないので、有るとも言えず、無いと言っても縁にふれて刻々
と現れては消えていくので無でもありません。これを仏教では空(クウ)と言
います。

 二
身(からだ)は目で見たり触って確認できるので、自分と他人の差異を認識
します。私たちの身は環境(地球等)を構成している物質と同じもので出来
ていますから、環境と身は別々にあるようですが、実際は一つです。

これを、依(環境) 正(生命体) 不二と言い、一体であると観察します。

 三
体(生命そのもの)は無死無終で永遠に続いています。
個個を見れば生まれたり死んだりしていますが、生命自体は滅不滅でそ
の実体は、すべてのものを慈しみ育てようとする慈悲の心です。
生命を不幸に陥しいれる苦の刃を抜き、楽という希望の力を与える大慈
悲心が実相(真実の姿)であります。

この心を仏界の命とも仏の心とも言いますが、これは仏だけでなく私たち
の生命にも具わっています。
ただこれを悟って価値創造する人を仏と言い、この心を知らない人を迷っ
ている凡人と言います。

生命が、心(空)・身(仮「カリ」と言い、環境を構成する物質が和合して出来
ている仮のもので、仮というのは和合がなくなると無になるからです)・
体(中とも中道実相とも言います。生命本体のことで必ず心・身をともない
本体のみで単独に存在することはありません)。

以上を三観といい、これを明らかにすることを三諦(サンタイ)と言います。

 質問
「生命の三観を明らかに知っている人を聖人と言い、知らない人を凡人と
いうのですか。」

 答え
「そのとおりです。万物は心が造り現したものですが、それを好ましいとか
好ましくないとか感じるのも心ですから、造るのも心であり、感じるのも心
ですから、心が一番大事なのです。
その心の肝要を究め尽くしたのが仏教で、万人にそれを分かりやすく教え
られたのが日蓮大聖人です。

 聖人の上に大をつけるのは、慈悲が広大なことと、仏教史上未曾有の
御本尊を顕されたので大聖人と尊称するのです。」

次回に続く   

 注釈
生命の三観を明らかに知り、過去、現在、未来を見通す智慧を持った人を
聖人と言います。