叙事詩 人間賛歌

想像もできない力を持つ生命の素晴らしさを綴っています !

 すべて無料です、気軽に読んでください。

人間賛歌 人間は何者だ、どこから来たのか 九

2008年02月20日 | 人間は何者だ、どこから来たのか

 前回の続き、

生命活動(作用、働き)だけを生命と思えば
生まれる始と死ぬ終わりがあり、 そのあいだに

一、生老病死(セイロウビョウシ) 二、愛別離苦(アイベツリク)

三、求不得苦(グフトクク)
 四、怨憎会苦(オンゾウエク)など

種々の苦をなめつくさねばならない。
これを夢に例えたのだ 夢からさめてみれば
生命自体は 無死無終で不変であった。(悟りの生命で仏界のこと)

ということを教えた話だ。

注、
一、 生老病死。 老い、病み、貧に苦しみ、死を恐れる。
    生きること自体が苦しみの元になること。

二、 愛別離苦。 愛する人や、かけがえのない人と死別したり、
    離別する苦しみのこと。

三、 求不得苦。 金や地位、名声などを求めても、
    求めても得られない苦しみのこと。

四、 怨憎会苦。 恨み憎むものと出逢い、別れられない
    苦しみのこと。


もろもろの苦悩が 充満しているのが迷いの世界の特徴だ
これを堪忍世界とも娑婆世界ともいう。

荘周が夢で蝶になり 浮かれていたが
鳥におそわれ ハチにさされ ガマに食われそうになるなどは
恐れや 苦しみが充満していることのたとえだ。

もろもろの苦しい経験をしていくなかで
人間の心が磨かれ 鍛えられ
生命は 生命そのものと 生命活動の両面が
あることを知る智慧を得、 苦しみは
智慧を得るために 避けて通れない道だと分かるのだ。
(悟りの生命で本来だれのいのちにもある)


そのとき苦しみは あとかたもなく消え失せ
迷いの心が生んだ妄想であった ことを知るのだ。

続く