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東京「昔むかしの」百物語<その68>象のはな子

2021-06-10 17:15:33 | 東京「昔むかしの」百物語
昭和20、30年代、日本中にアジア各国から像が寄贈された。

太平洋戦争の敗戦から10年も経たずに日本の子どもたちに喜んでもらいたいという、アジア各国からの信愛の使節だった。

子ども心に、日本は世界(アジア)から好かれているのだなと思った記憶がある。

戦中の日本が、アジア各国で悪行を行ったという風説からは、想像もできない日本への信愛の情溢れる事実だ。

ボクの子どもの頃は、上野恩賜公園の動物園と、井の頭公園の自然文化園に像がいた。井の頭文化園の像は、タイ生まれのはな子といった。それまで上野動物園にいたが、井の頭に引っ越した。上野には確かインドから来たインディラという象がいた。当時のインド首相ネルーの娘さんの名前だった。

はな子は、二度の事故で二人の飼育員を死なせている。そのせいで殺人象と言われたこともある。



この写真は、ボクが小学1年生の遠足の写真(だと思う)。手前の白い帽子がボクだが、奥にいる像は記憶は定かではないが、多分井の頭のはな子だ。リンゴを投げてはな子が食べてくれたのを覚えている。

ボクは象が好きだった。見ているだけで心がほっこりした。なぜだろう?

そういう意味では、アジア各国が日本の子どもたちのためにと像を寄贈してくれたことは、少なくともボクに関しては、アジアの人々の思いのままに受け止めていたことになる。

ボロボロになったアルバムを眺めていたら、こんな写真が出てきた。当時のわくわく感が心の奥底から湧きだしてきた。

65年などという月日は、まるでなかったかのようなものだと思った。

コメント
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