普通な生活 普通な人々

日々の何気ない出来事や、何気ない出会いなどを書いていきます。時には昔の原稿を掲載するなど、自分の宣伝もさせてもらいます。

久しぶりの、36時間。

2012-09-05 17:45:19 | 普通な人々<的>な
昔、30歳代の後半、だから25年くらい前の話だが、丸々4日間徹夜したことがある。ぶっ続けで約100時間。

当時といえばバブルで、何をするにもスピードが要求され、厳密さは二の次三の次といった感じだった。

例えば本を一冊作るにも、問題は引きになるタイトルで、作れば売れた(というか、どんなものでも流通には乗った。だから初版部数さえ万を超え、書き手=作り手は一冊で百万円単位の金を手にした)。だから一冊でも多く作ろうと努力し、さらには早く作った者勝ちで、畢竟似たような二匹目のドジョウ本がちまたに氾濫した。

そういう状況の中で、一度ボクにもそういう話が来た。ただ、それはものすごい条件で、取材期間は2週間程度、原稿の入稿まで1ヶ月というものだった。

内容は「商品名」に関わるもので、それなりに面白い本にはなったのだが、取材者は別にいて、取材した内容をFAXでボクにどんどんと流してくるというシステムで進行した。取材時間もそれほどない。で、取材も対象となる企業などにFAXで行うことになったのだが、取材者と危惧した通り、時間はどんどんと押していくことになり、取材がある程度まとまりボクの手元にデータとして第一弾がきたのは、締切の僅か5日前だった。

スケジュールは崩せない。で、冒頭に書いた通り、4日間徹夜することになったのだ。

死ぬかと思った。こんな本が売れるわけもないと思ったが、取材者と折半した初版のロイヤリティは百万円を超えた。

あの当時はすべての職種でこんな塩梅だった。あんな時代は二度と来ないのだろうが、来る必要もないのかもしれない。右から左へモノを流すようなニュアンスで金が生まれることなど、有り得ないということをバブルを通して日本人は知ったのだ。

一所懸命に考え、必死で働くということの本質は、わずか4日間で頭をフル回転させ徹夜で原稿を書くことを意味しないことぐらいは、昔からわかっていたはずなんだが…。それが当たり前に思えた時代が確かにあった。

最近、複数の仕事だが36時間ぶっ続けでやった。明らかに無理なことだった。仕事のクオリティは下がるし…。

若くもなし、やってはいけないことだったかもしれない。なんてね、殊勝にも…。できるならやるかな、これからも?

コメント
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