ヴァンフォーレ甲府のように２３

　リスペクトコラムです。
　当ブログで「付加価値が高い公共財Ｊクラブ」があり、甲府さんはカテゴリが上から２番目の「御三家」（正確には山雅さんを加えて御四家）として評価しています。まさに地方クラブのお手本。一時期クラブの消滅危機が訪れましたが、海野社長のもとで見事に蘇生され、今でこそＪ２ですが、少し前までＪ１クラブとして頑張っておられました。一度中スタに行った事がありましたが、商業主義ではなく、地域活性化主義である素晴らしいスタジアム運営で、かなりうらやましかったです。
　そんな甲府さんが、また一つ素晴らしい付加価値を身に付けられました。数字を追う事にしかこだわらないところでは手が届くことは無い、Ｊクラブのお手本とも言える事例です。
　　　　　　　　
【経済産業省 令和2年度「地域企業イノベーション支援事業」採択事業に選定『スポーツクラブによるアクティブライフ実現に向けたトータルサポート事業』】
「(株)ヴァンフォーレ山梨スポーツクラブは経済産業省の令和2年度「地域企業イノベーション支援事業」に応募を行い、関東経済産業局管内の採択案件に事業が採択されましたので、お知らせ致します。」
「■プロジェクト概要
　山梨県内唯一のプロスポーツクラブである（株）ヴァンフォーレ山梨スポーツクラブをハブとして、県民の運動機能の改善やQOL向上に資する事業を実施する企業が参画可能なプラットフォームを構築し、医療費削減等の社会課題解決と当該企業群の収益向上を目的とする。」
「●ヴァンフォーレ甲府は県内唯一のプロスポーツチームとして平均入場者数１万人超の集客力を誇る。また、地元企業を中心に250社以上の多様なスポンサー企業との繋がりも深い。こうした背景からも関連産業のつなぎ役であると同時にシンボルとして事業の強力な推進が見込める。
●地域に寄り添ったチームのブランド力を活かし、ヘルスケアデータを活用した地域活動や産業創出のプラットフォームを構築する。
●体操などの “通いの場”やイベント会場としてのスタジアムと健康情報プラットフォームを組み合わせることにより、スタジアムの稼働率向上や山梨県内におけるPFS/SIB（ソーシャルインパクトボンド※）を実現する。
※民間資金を活用して社会課題解決型の事業を実施しその成果に応じて地方公共団体が対価を支払うスキームのこと。
■プロジェクト概要及び目標
①健康情報プラットフォームの開発検討や甲府市と健康生きがいプロジェクトを進めているシミックホールディングス（株）を中心に県内の大学機関と連携しながら、トレーニングプログラムの計測データの分析を行い、医療費削減につながるアウトカムを抽出したり、ヘルスケアデータを取得可能な健康情報プラットフォームを構築する。
②医療費削減につながることが期待できるアウトカムを踏まえ、PFS/SIBの導入可能性検討を行い、事業の拡大化を目指す。
③（一社）ヴァンフォーレスポーツクラブと（株）クスリのサンロード、（株）はくばくなどの企業が共同で栄養や食育をキーワードとしたヘルスケアサービスや健康増進プログラムを共同で開発。それをフックとしたイベント「カラダ測定会」によりパーソナルヘルスケアレコード取得の手法を検討し、将来的にはデータを活用したプッシュ型のサービス提供や商品販売により収益を向上する。」
引用：Ｊ２甲府公式ＨＰ

　この「地域企業イノベーション支援事業」は、地域経済の担い手となる企業群の新事業への挑戦を促すため、以下の取組等を実施するそうです。
①地域のイノベーションを支える支援機関（大学、公設試、金融機関等）からなる支援ネットワークの構築
②支援ネットワークが新事業に取り組む地域企業群に提供する、事業の立ち上げから市場獲得までの、事業の成長段階に応じた総合的な支援（事業戦略策定、事業体制整備、研究開発、販路開拓、ノウハウ提供など）
　簡単に言うと「住民のアクティブライフを実現し、医療費削減等の社会課題解決を目指すプロジェクト」で、令和元年度に甲府市とマッチングした県外のヘルスケアベンチャーの㈱グローバルへルスが山梨県内企業とともに参画。㈱ヴァンフォーレ山梨スポーツクラブをハブに、地域住民の運動機能の改善、QOL向上に資する事業を行うそうです。
　関東経済産業局の事業公募ページを読むと、2,800万円の広域型から1,000万円の集中型まで３タイプあるのですが、どれなのかな。少なくとも1,000万円以上の補助金事業ではあるようです。
　Ｊクラブでこうした国等の補助金を活用して、こうした事業を展開するのは実は昔から少ないようです。もっと利用したらいいのにとも思います。今日は堅苦しい内容になりましたが、実は大事な事例なのです。
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