J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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勝利と平和の高みへ V.ファーレン長崎10

2018-02-18 00:38:13 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクトコラムです。
 時々観ているTBS(RSK)の「がっちりマンデー」ですが、先週のテーマは「すごい社長が再挑戦! がっちり!もう一度社長!」というもので、J1長崎の髙田社長が登場してきてビックリでした。スポーツ関係の特集番組ならいざ知らず、この番組はどちらかといえば、ライトなビジネス番組。そこで一企業の一経営者として紹介されました。Jクラブの名物社長といえば、異色な経歴での転身とかありますが、髙田社長は別格な事がよくわかります。経営者としての今までの実績、人柄もあるのでしょう。その内容を抜粋してみました。
   
【テレビでもおなじみ! あの名物社長に密着! 元ジャパネットたかた 髙田明社長69歳】
 長崎県の諫早市の体育館の1Fを事務所で借りている。3年前にジャパネット社長の座を息子さんの譲り勇退。悠々自適と思いきや・・・昨年4月、別の会社で社長に挑戦。地元長崎のサッカークラブ、J1長崎。ききっかけはクラブの経営危機。そのままだったら倒産だった。1年前には経営不振で大赤字。倒産の危機に瀕していた。長崎に恩返しと奮起したのが高田社長。
 高田社長の就任後はチームの勢いも観客動員数もアップ。就任時5/3:4,511人→11/11:22,407人と半年で5倍以上を記録し、見事J1昇格を達成。倒産寸前だったクラブをどうやって立ち直らせたのか? サッカーとビジネスの世界は違うって言うけど、ミッションも全てやる事は一緒。経営という観点からすれば、ビジネスの世界も全部収支のバランス。
   
〔高田社長の取り組み〕
①社内の働き方改革(放送中表示された内容)
 サービス残業はNG:
 順守ルール: 「COMPANYもしくはシステム情報の出社・退社打刻時間」と「執務室の入室・退出ログ時間」のタイムラグは15分以内
 お昼ごはんとろうよ運動: 15分休憩・お昼休憩をしっかり取って、脳と体をリフレッシュ。休憩で集中力が高まり、業務効率アップ。
 経費書類の管理: 支払締日の順守。最終承認者承認完了日、経費照合シート提出日の明確化。日にちが守られて、安心して仕事ができるようになった。
→当たり前の事をちゃんとやる! 効率の徹底化。社員満足が無ければ、なかなか企業というのも成長しない。サッカーも一緒。
   
②積極的な集客
 ジャパネットで培ったノウハウを導入。選手との各種イベントの他、応援Tシャツの無料配布やスタジアム内でジャパネットのアウトレット販売、ハーフタイムの花火ショーなど、来場客が楽しむ仕掛けを積極的に実施。大事な試合前の日にはテレビCMを放送。集客努力が観客動員数増加に。

 「『V.ファーレン長崎』」いう言葉が生活の一部になるくらいに少しなってきたのかなと。まだまだ足りないから、県全体のホームタウンというものに近づいてくる。結果として収入にもつながっていく」と本人のコメント。
 スタジアムまでの列車を増便。駐車場の改善策、1,500台ほどのスペースを、スタジアムと周辺に3,000から4,000台を確保。やはりストレスを感じさせてしまうものなので、スタッフで何度も協議して対応。
 「今生まれて一番忙しい時かなというくらいに、やはり課題はある」と、スポンサー獲得のためにも、高田社長は全国を飛び回り、去年の約3倍のスポンサー料を獲得。「端から見ても『大丈夫かJ1に来て』『すぐJ2に戻るんじゃないの』『経営大丈夫?』と言われるが、大丈夫、頑張ります。今はもう、忙しいとか言ってられないから動くしかない。」と言う高田社長の挑戦で、シーズンチケットが高いのが悩みだが、今季は分割購入可能にし、金利手数料はジャパネットが負担とした。
 
 そんな内容でした。ビジネス番組という、また違った視点から観ていたので面白かったです。社内の働き方改革は、ジャパネットで普通に行われている取り組みなので、一般企業でも十分参考になるものではないでしょうか。逆にこういう部分が、Jクラブでも一般企業でもあれば、ネガティブな要素なのかなと思いました。これらを観ていると、現在の長崎さんが社員の満足度も高い企業に蘇生した事がよくわかりました。
 集客については、どれも過去の情報で充分把握している内容でした。思い出すのが、J2岡山に髙田社長が視察に来られたシーン。会場を隅々まで廻られ、貪欲に吸収された事でしょう。ただ、ここで触れられている2万人強の数字はあくまでホーム最終戦の「一試合」。平均観客動員数では満足いく数値ではなかった事は当ブログで認識しており、今季の継続する課題と言えるでしょう。
   
 あと、ホームタウンの捉え方に感心しました。「県全体のホームタウン」という捉え方で、試合前のTVCMでも「長崎県民のみなさん!」と呼び掛けています。全県がホームタウンなのに、データを重視し過ぎて、普段はずっと地元市、特にスタジアム・練習場周辺しかほとんど相手にしないパターンとは違うかなと。髙田社長は最初から「全県」。その辺りが経営者の価値観の「違い」だと思います。
 長崎さんで一番感心したのは、シーチケ(年間パス)の分割払い可能(金利は運営会社負担)です。これは攻めの一手で、言わば捨て身の戦法と言えるもの。よく、うちはタダ券は絶対に配らないと胸を張るところがあるかもしれませんが、この手もできないところでしょう。ただ、長崎さんは来場者本位で考え、どうやれば来場者が喜んでくれるか、来場者目線で判断された取り組みでした。

 最後に当ブログでは、総合的に見ると、Jリーグ百年構想という考え方では、ジャパネットさんの100%子会社化は理想的な結果とは思っていません。Jクラブは地域の公共財とずっと言ってきたので、一民間企業の所有物になる事は好ましくありません。通常ならばネガティブな論調になるところですが、髙田社長の行動、長崎さんの地域に根差した取り組みを観ていると、逆にポジティブになる自分があります。「親企業の無い企業チーム」よりもよっぽどいいじゃないかと。経営が安定し、地域の宝になり、J1に定着した後に、ジャパネットさんは資本を地元企業・団体に譲っていくのではないかと予想しています。今はその助走段階だと個人的に思っています。市民クラブのはずなのに、個人オーナーが過半数の資本を握って、実質的に個人商店化しているパターンよりも全然いいじゃないかと。

 日経ビジネスオンラインの記事に、髙田社長の正しい価値観を感じるものがありました。「私はクラブを変えるには100%株式を取得しなければ難しいとも考えていましたから、それがJリーグの理念に沿っているかも注意していました。村井チェアマンにも『100%にこだわりたいんです』という話をして、『地域に貢献するという方向性が合致していれば、それは大丈夫だ』という理解もいただきました」という内容でした。髙田社長はちゃんとその辺りを認識している事がよくわかります。ホワイトナイトに感謝しつつも、地域に貢献するという方向性が必要条件と強調する村井チェアマンも立派でした。読者の皆さんの地元クラブは、地域に貢献するという方向性はちゃんと合致していますか? 長崎さん、ぜひJ1で大暴れして絶対にJ1に定着して下さい。さあ、あと1週間でJリーグ開幕です。雪国の積雪情報を観ると、まだ早いという考え方もありますが、とにかく開幕します。
J2長崎関連⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20171119
   〃    ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170710
   〃    ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170606
   〃    ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20170413
   〃    ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130426
   〃    ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20121117
   〃    ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20061128
   〃    ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060807

   〃    ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060215
   〃    ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060125

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