旧浅羽町・中村(中地区)で曳きまわされていた祢里、このほど横須賀へ里帰りすることになりました。この祢里のルーツは、江戸時代末期～明治初期に遠州横須賀・東田町で曳き回れていた祢里ではないかといわれ、随所にその痕跡が残っています。大須賀の観光協会では祭りの歴史をとどめるため、各地へ散って行った横須賀の祢里を再び横須賀へ戻すための調査を行い、何台かの行方を突き止めることができました。今日はその中の一台、浅羽中地区の祢里小屋へ、４ｔトラックへ乗せていよいよ横須賀へ百数十年（？）ぶりの里帰りです。
無事に横須賀まで到着、しかしながら受け入れ態勢が整っていないため、横須賀某所の空地でしばらくの間保管することにしました。
東田町のトレードマーク「持ち送り」、現在のもの(竹に虎/中山由太郎政勝之作）とは比べ物にならないほどシンプルです。祢里の組子も古典的で簡単な方法です。またこの祢里の特徴として、理由ははっきりしませんが「枠」を上側に大きく反らせてあります。文化・文政期といわれる黎明期の祢里の形を解明するためにも、今後の研究課題となりそうです。