本日発売の『日刊ゲンダイ』(15日付け)。
連載コラム「テレビとはナンだ!」では、テレビ朝日「ちい散歩」を取り上げさせてもらった。
コラム見出し:
『ちい散歩』は「近くへ行きたい」を実践した秀逸な番組。
本文は・・・
旅番組の老舗「遠くへ行きたい」(日本テレビ系)。
その初期に「旅する人」を務めていた永六輔さんの名言に「初めての角を曲がれば、それは旅の始まり」というのがある。
一種の“旅ゴコロ”を語ったものだ。
テレビ朝日「ちい散歩」は、いわば「近くへ行きたい」を実践した<コロンブスの卵>的旅番組である。
中でも水曜日の「ひと駅散歩」は秀逸。何しろ、たったひと駅の区間をぶらぶら歩くだけなのだ。
たとえば、先週は京王線の調布から西調布、わずか1.5㌔の旅だった。
冒頭、いきなり線路際で立ち止った地井(武男)さんが電車の通過音を聴いている。
で、「ガタンゴトンという音は線路の継ぎ目から出る」と真剣に驚く。旅人の目には何でも新鮮に映るのだ。
また、野菜の直売所でお婆さんからトマトを買い、その場でかぶりつく。
実に美味そう。遠い旅先の高価な名物料理じゃなくても十分“ごちそう”である。
次に、お婆さんの連れ合いがいる畑へ向かうと、90歳だというお爺さんが元気に畑の手入れをしていた。
そこでの何気ない立ち話も滋味あるものに感じられる。
普段見慣れた風景も、歩いてみれば“何か”を見つけるし、“誰か”に出会うこともある。
通勤電車をひと駅手前で降りてみたくなる「ちい散歩」。
安価なメタボ対策としても有効とみた。
・・・ほんと、私も、ひと駅だけでも歩こうかなあ(笑)。