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碓井広義ブログ

<メディア文化評論家の時評的日録> 
見たり、読んだり、書いたり、時々考えてみたり・・・

テレ東らしい意欲的な新番組「広告の番組」

2011年11月09日 | 「日刊ゲンダイ」連載中の番組時評

『日刊ゲンダイ』に連載中の番組時評「TV 見るべきものは!!」。

今週は、テレビ東京の新番組「広告の番組」(土曜昼12時05分)を取り上げました。


CMをネタにする
テレ東らしい意欲的な番組


テレビは基本的にどんなネタでも番組化してしまう。

だが、もちろん苦手な分野もあって、そのひとつが広告やCMだ。

特に民放にとってはメシの種であり、下手に触れることは許されない。

そんな中、広告をテーマにした番組が出現した。

その名もズバリ「広告の番組」(テレビ東京)だ。司会者は唐橋ユミ。

中身は大きく2つに分けられる。

ひとつは企業が行う発表会や記者会見を一週間分まとめて見せるコーナー。

次が広告クリエイターなどを招いて話を聞くゲストコーナーだ。

確かにこれなら広告もCMも堂々と扱える。

企業側は発表会の概要を流してもらえるのは大歓迎だし、視聴者側も新製品情報などを先取りできる。

ただ初回に関して言えば、まだ発表会の羅列という印象が強く、広告業界のトレンドを読み取ることまでは出来なかった。

そしてゲストコーナー。栄えある第1回目はCMプランナーの澤本嘉光氏だった。

ソフトバンク「ホワイト家族」の犬のお父さんや、 東京ガス「ガスパッチョ」を生みだした俊英であり、広告業界では有名人だ。

しかし、視聴者にとっては“知らないおじさん”である。

番組では澤本作品を何本か見せていたが、当人が出てくることの“ありがた感”が十分伝わらず残念だった。

要工夫だ。
 
とはいえテレビ東京らしい挑戦は大いに買いたい。

走りながら改良していけば面白い番組になる。

(日刊ゲンダイ 2011.11.08)